沖縄・うるま市で目撃相次いでいたイノシシ、ついに捕獲 住民「これで安心して眠れる」
18日午後5時半ごろ、うるま市具志川の企業敷地内の林で、おり型の捕獲器に捕らえられたオスのイノシシ(体長約70センチ、体高約50センチ)が地域住民らに発見された。 【動画】草むらからひょっこり出てきたイノシシ、捕獲器におとなしく入ったイノシシ うるま署や同市役所によると、19日時点で人的被害は確認されていない。同市では2日ごろからイノシシの目撃情報が相次いでいて、猟友会や田場区の住民らが有志でパトロールするなど、人への危害に警戒していた。 「これでやっとぐっすり眠れる」。そう安堵(あんど)するのは、うるま市の玉城政哉市議。2日に知人から目撃情報を受け、猟友会のメンバーなど約10人で連日、夜間にパトロールを行っていた。地域の企業や警察と連携し、イノシシが捕まった捕獲器も設置した。複数の目撃情報から、イノシシは発見から捕獲までの約2週間、市田場から具志川ビーチ付近の間を往復していたとみられる。同市議は「誰にも危害がなくて良かった」と胸をなで下ろした。 宮城邦治・沖国大名誉教授(動物生態学)によると、イノシシは雑食で虫や木の実などを好む。本島内では、うるま市石川や恩納村以北の森林で生息するが、ここ数年は南下してきている傾向があるという。 宮城さんは捕獲されたイノシシの体格から「若いオスではないか」と話し、「繁殖シーズンのこの時期に食べ物を求めて北から海岸沿いを下ってきたのではないか」と推測する。「イノシシは基本的に警戒心が強く、おのずと人を避けることが多いが、鉢合わせになるとパニックになり危害を加えてくる可能性もある」とし、刺激を与えないよう注意を呼びかけた。