「万年平社員」ってそんなにダメなことですか? 「必要最低限」の収入があればそれで十分なのですが……。
「万年平社員」は、昇進やキャリアアップにこだわらない選択としてしばしば議論されるテーマといえます。例えば、昇進を目指さない選択によってもたらされる心理的な平穏などについてです。 しかし、経済的な面がどうなるのかを気にする方もいるでしょう。そこで今回は、仕事とプライベートのバランス、経済面などの観点から、「万年平社員」としての価値を紹介します。
「万年平社員」であることの経済的・心理的影響
転職メディア「転職サイト比較plus」が2022年6月に、全国の20~29歳の男女2327人を対象とした「出世欲に関するアンケート」によると、出世欲のない20代は77.6%という結果になりました。 理由としては、「責任のある仕事をしたくない」「プライベートを大事にしたい」といった理由が多く、今回の質問者のように、近年では出世欲のない人が増えているようです。 しかし、これは必ずしも否定的な側面だけではありません。なぜなら、必要最低限として一定の経済的安定を保ちながら、仕事におけるプレッシャーや責任を避けられるからです。 これは、個人のライフスタイルや価値観によっては、非常に望ましい選択となり得ます。 あるコンサルティング会社の調査によると、多くの社員が昇給やキャリアアップを求めている反面、仕事に関する不安やストレスも感じているのです。こうした環境下での「万年平社員」としての選択は、心理的な安定を得るための有効な手段といえるでしょう。
仕事とプライベートにおける「万年平社員」の考え方とは
前述したような働き方には、プライベートにより多くの時間とエネルギーを割けるというメリットがあります。その結果、家族とのふれあいや趣味などを充実させることが可能です。 これは、個人の幸福感や生活の質を高め、ストレスの解放へとつながるでしょう。また、これは組織にとっても有益な考え方といえます。 なぜなら、社員のストレス状態が、企業の生産性や持続可能性に影響を及ぼす場合があるからです。このような考え方は、仕事とプライベートのバランスを保ちながら生活の質を高める選択肢として有効といえるのです。