19歳で戦力外→育成の“本音” TJ手術は「我慢との戦い」…真横の新人が「羨ましい」
オリックス育成の河内がトミー・ジョン手術から目指す復活
オリックス・河内康介投手が年明けからキャッチボールを再開し、右肘トミー・ジョン手術からの復活に向けてスタートを切った。怪我の影響で戦力外通告を受けて育成契約に切り替わり、迎えるプロ2年目。「ボールがこれだけ重かったのかと驚きました。大きさにも慣れなかったですね。でも、なんか思い出してきた感じがあって、ちょっとイメージも出てきました」。手術後、初めて右腕でボールを投げて3日が経った頃、頬を緩めた。 【写真】「それは納得できんでしょ」戦力外通告に涙を流す左腕 河内は、大阪府高槻市出身。聖カタリナ学園(愛媛)では1年秋からベンチ入り、最速150キロのストレートとスライダーが武器だ。2023年ドラフト2位でオリックスに入団。プロ1年目は体作りと並行して、将来のエース候補として主に先発起用され、球速も147キロを記録するなど順調にプロ野球生活を歩み始めていた。 そんな河内に悲劇が襲ったのは、8月6日の広島戦(ほっともっと神戸)だった。先発したマウンドで右肘に違和感を覚え、2つのアウトを取っただけで、22球で降板してしまった。「その時はアドレナリンが出ていたこともあって痛みは感じなかったんですが、ロッカーで着替えているうちに痺れが出てきてやばいなと……」。病院での診断は重傷で、約2週間後に大阪市内の病院で右肘内側側副靭帯再建術を受けた。 富田ブレーブスで野球を始めた小学生時代に肩を痛めて休んだことはあるが、故障とは無縁で過ごしてきた河内にとって、初めての手術と入院生活。そして1年以上にもわたるリハビリの始まりだった。 「自分的に投球に手応えが出てきたところでした。広島戦では5回まで投げて初勝利も挙げたいなと思っていた矢先の怪我でした」。プロ1年目の挫折に打ちひしがれる18歳を、富山凌雅投手や山崎颯一郎投手、椋木蓮投手らトミー・ジョン手術を受けた先輩たちが、次々に声を掛け不安を払拭してくれた。「TJ手術をした後は強くなる」「実績を作ってから手術してブランクを迎えるより、早い時期に手術した方がよかったよ」。復活している先輩の言葉が前を向かせてくれた。 「颯一郎さんからは『投げられない1年は、黙々とウエートトレーニングや走ったりして体を作る期間だから。僕の場合、ウエートをしていたら、勝手に150キロが出た。そういうパターンになるよ』と言ってもらいました。今はそう思いながらリハビリに励んでいます」