安倍派“裏金疑惑” 内閣不信任決議案は否決 宮沢副大臣が「派閥の指示」を暴露
日テレNEWS NNN
自民党・安倍派の裏金疑惑で揺れる臨時国会は13日、最終日を迎えました。安倍派の宮沢防衛副大臣は、派閥から収支報告書に記載するなとの指示や、かん口令が敷かれたことなどを明らかにしました。 ◇ 安倍派の裏金疑惑に揺れるなか、13日、会期末を迎える国会で行われたのは、立憲民主党が提出した岸田内閣に対する内閣不信任決議案の審議です。 立憲民主党 泉代表 「ただいま議題となりました『岸田内閣不信任決議案』の提案の趣旨を述べます。議場の皆様、全国の皆様、政界は今こそ自浄作用を働かせねばなりません」 演説を聞く“裏金疑惑”がある安倍派の議員たち。自民党の萩生田政調会長は、立憲民主党の泉代表が「裏金(うらがね)」を「うらきん」と言い間違えた際に、思わず笑っていました。 さらに、12日の本会議では目を閉じる様子が見られた谷川弥一議員。泉代表の演説中に取り出したのは、目薬です。苦しそうな表情をうかべていました。 立憲民主党 泉代表 「谷川弥一衆議院議員4000万円以上、池田佳隆衆議院議員3200万円以上など、不記載と裏金化が疑われている議員が次々と現れています。この裏金疑惑、自民党の各派に拡大しております」 そして、これまで同じ答弁を繰り返してきた松野官房長官にふれ… 立憲民主党 泉代表 「総理、松野官房長官はもはや答弁能力を失い、壊れたレコードのように同じ言葉を繰り返すだけになっています。1000万円以上の不記載と還流、何に使ったかもわからない。そんな疑惑を持たれている人物が内閣官房長官を続けています。日本の政治はこんなにも低レベルであってよいはずはありません」 最後には岸田首相に衆議院解散・総選挙を迫りました。 立憲民主党 泉代表 「一刻も早く内閣総辞職を求めます。そしてこれをせんというのなら、衆議院を解散し、国民に信を問うていただきたい」 そして、午後4時半すぎに採決が行われ、与党などの反対多数で否決されました。 議長 「岸田内閣不信任決議案は否決されました」 自身への“裏金疑惑”が出て以降、国会に姿を見せていない池田佳隆議員。関係者によると、これまで収支報告書に記載せず、直近5年間で総額4000万円を超えるキックバックを受けていたとみられています。 しかし、13日までに収支報告書を訂正しました。訂正した収支報告書によると、去年分までの3年間で派閥から総額約3200万円を受け取ったということです。池田議員の事務所は取材に対し「(使い道を明らかにしなくていい)政策活動費だと認識して受け取り、政治資金収支報告書には記載していませんでした」などとコメントしています。 ◇ 一方、本会議終了後、安倍派の宮沢防衛副大臣は、派閥から収支報告書に記載するなと指示があったことや、かん口令が敷かれたことを暴露しました。 自民党・安倍派 宮沢防衛副大臣 「派閥の方からかつて収支報告書に記載しなくていいという指示があった。はっきり申し上げます。『しゃべるな、しゃべるな』、これですよ。でもここに至った限りにおいては、もうしゃべるしかない。そう思って決断した」 ――「しゃべるな」とは誰から言われた? 総理ですか、派閥の会長ですか? 自民党・安倍派 宮沢防衛副大臣 「総理は違いますね。まぁ派閥の方から」 内閣不信任決議案の否決で幕を閉じた国会。岸田首相は安倍派幹部のうち、松野官房長官、西村経済産業相、鈴木総務相、宮下農水相の4閣僚を14日に交代させる方針です。事実上の更迭となります。 岸田首相は13日夕方、記者会見を行います。首相周辺は「首相就任以降、一番大事な会見になる」と、危機感を示しています。 (12月13日午後6時ごろ放送『news every.』より)