「最終日としてはいい一日」 平田憲聖は月間4勝ならずも『63』の猛チャージ
<バンテリン東海クラシック 最終日◇29日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71> まるでタイガー? 幡地隆寛の“サンデーレッド”【写真】 21位からスタートした平田憲聖は8バーディー、ボギーなしの『63』で追い上げたものの、3打及ばず、トータル14アンダーの5位タイに終わった。ツアー史上初の月間4勝の偉業達成はならなかったが、強さを存分に示す猛チャージ。ホストプロを務める次戦の「ACNチャンピオンシップ」、翌週の国内メジャー「日本オープン」でもその力は発揮されるはずだ。 ホールアウト時点で首位とは1打差。プレーオフに備えるという選択肢もあったが、平田はアテストを終えると自らの判断ですぐに報道陣の前に姿を見せた。ラウンドを振り返り「できれば、上位の選手に追いついてホールアウトしたかったんですけど、最終日としてはいい一日になりました」。この後「まだどうなるか分からないですけど」と付け加えたものの、同じフィールドで戦う選手として、上位陣がさらにスコアを伸ばすことは覚悟していたのだろう。取材エリアを出た後は、ファンのサインに応じた。 首位とは6打差からのスタートで「朝はできるだけ伸ばしたいなという感じで、目標のスコアとかは考えていませんでした」。2、3番で連続バーディーを奪った時点でも、その気持ちは変わらなかった。ビッグスコアの予感が漂い始めたのは7番から。「序盤はあまり手ごたえはなかったんですけど、7番で4メートルぐらいのバーディーパットが入って、今日は頑張りたいなという感じになりました」。 さらに9番で5メートルのバーディパットを沈めて折り返すと、後半も11、12、14、18番とバーディーラッシュ。パー5で唯一取り逃がした15番を悔やみつつも「最後をバーディで上がれたので良かったと思います」と最終日のプレーを総括した。 結果的には前日の2オーバー『73』が響いた格好。「ストレスのたまるゴルフだったので、ラウンド後はゆっくり、リフレッシュして過ごしました」。それでも、勝てなかった理由を3日目のプレーには求めておらず「昨日があったから今日こういうゴルフができたと思いますし、そればっかりは結果論なので分からないですね。今日だって悔やまれるプレーというのはあったので、どれがとは言えないですね」。こうして冷静に4日間の戦いを振り返れるところも平田の強さのひとつなのだろう。 次戦に向けては「地元の関西ですし、ホストプロとして結果でしか恩返しできないので、そこでいい結果を出して、恩返しができればなと思います」。9月は間違いなく、平田の月だったが、10月も再び、平田がツアーの主役を務める。(文・田中宏治)