「恐怖や痛みを感じない兵士」への強化は許される?「ブレインテック」開発競争 軍事利用と研究者の役割
ブレインテックの開発競争と軍事利用の予防策について、ノンフィクションライターの石戸諭氏は「かつてデュアルユース(軍民両用)について取材をしたときにも思ったが、これは軍事利用できる技術、こっちは人々の生活のための技術などと明確に分けることはできない。『あらゆる技術が軍事利用できる可能性があるという前提に立ち、それでも一定の歯止めをかけながら研究を進めることはできる』という視点が日本社会には欠けている。特に日本の場合、安全保障にも関わる問題はイデオロギーと結びついてきたという歴史があり、非常に政治的な問題として、センシティブに取り扱われている。そして現在、大学と企業、防衛関係と研究者の間にも分断ができてしまい横断的な議論は不足している。科学者のコミュニティをもう一度作り直すことが必要ではないか。科学者が自身の研究がどんなリスクを抱えているのか理解した上で、自分がどこまで関われるのか明示する時代がいずれやってくると思う。また『科学者の言ったことを尊重する』だけではなく、踏み込み過ぎた研究には国や政治家がガバナンスを効かせる必要も出てくるだろう。社会の目が行き届くために必要なバランスは課題だ」と指摘した。 (『ABEMAヒルズ』より)