依田英将アナウンサー） 北海道斜里町のウトロ漁港から生中継です。この時間の天気は晴れていますが、風が強く吹いています。秋の冷たい風が港を吹き荒れています。１９日朝、桂田容疑者のもとで働いていた杉浦さんに話を聞くことができました。杉浦さんは事故の直後からご家族の対応をされてきました。月命日には献花台の写真を撮って、その写真を全国のご家族に送っているということでした。桂田容疑者の不誠実な対応をすぐそばで見ていたので、杉浦さんは桂田容疑者の分まで家族と真摯に向き合っているのではないかなと強く感じました。 間もなく事故から2年半になろうとしていますが、斜里町ウトロ観光には大きな影が落ちたままになっています。その一つが観光船です。 今日はこの強風もありまして、外海は高波です。大型観光船のオーロラ、そして小型観光船を含めてすべての観光船が欠航となっています。観光船に乗ろうとする人に先ほどお話を聞きました。 神奈川からの観光客） 「（逮捕は）１つの区切りになるのかなという気がします。観光は安全がまず基本なので、（今後）そこはしっかりやってもらいたいと思いますね」。 大阪からの観光客） 「すごく胸が痛いです。あってほしくないなとは思いますけど、でも（観光に）来るにあたって、それが原因で避けようとか、そういうことではなかったです」。 室岡里美アナウンサー） 「観光に来てらっしゃる方もいらっしゃいましたけれども、その観光船以外の地元の観光への影響というのは出ていないんでしょうか」。 依田英将アナウンサー） 「ある方に話を聞きますと、やはり斜里町ウトロの観光がもう一度復活するためには、知床ウトロを応援しようという気持ちを醸成しないとならないということだったんですね。じゃあ、観光客にその気持ちをどうやって醸成させられるかっていったら、まずは桂田容疑者が誠実に謝罪をするところから始まるんじゃないか。その謝罪なしに応援する気持ちというのは絶対に醸成されないよねと厳しく語る方もいらっしゃるんですね。 そして、やはり知床ウトロの観光の柱というのは、一つは観光船にあります。ただこの観光船、事故以降お昼の便と夕方の便が1便ずつ欠航になりました。 ある飲食店に話を聞きますと、このお昼の便というのはその飲食店にとっては船が出る前に腹ごしらえをする方でランチ時間はにぎやかに盛り上がったそうなんです。ただ、その船が丸ごとなくなってしまったので、ランチの売り上げがなくなった。そして、その船をめがけて来ていた大型観光バスのツアーも全く復活していないそうなんですね。そのため去年と比べて夏の売り上げが１割下がった、来年以降も復活は見込めないんじゃないかという話をしてくださいました。非常に厳しい状況にあると思います。 知床観光の復活のためには、やはり桂田容疑者が逃げも隠れもせず、しっかりと取り調べに応じることが何よりも重要だと話す事業者もいます。ウトロの観光復活は桂田容疑者が全てを包み隠さず話すことと間違いなく大きく関係しているんだなと私は思います。遅すぎるとの声もあるかもしれませんが、誠実な姿勢が今まさに求められています」。