「農学部で能楽部です」東北大学で60年以上の歴史『能楽部』女子学生2人入部きっかけは「日本人だけど日本のことあんまり知らないな」
■2人の「能」の練習はどんな感じ… 6月29日には1年生の舞台デビューが控えていて、この日は1年生が演じる仕舞を中心に練習が行われました。 上級生の指導: 「立ち上がって一つの動作が終わって、運んでまた次の動作をして」 先輩が、手足の動きや体重移動の仕方ついて丁寧に指導していきます。 加宅田咲希さん: 「謡はちょっとほめていただいた。後ろに下がったり前に進んだりするときに、地面に体重をかけすぎてしまって、ぎこちなくなってしまうのが指摘されたので、そこを改善したい」 6月23日、この日は月に1度行われる師範による稽古です。 ■能楽部を指導するのは… 部員たちに指導するのは能楽師の粟谷明生さん。週末に控えた舞台を前にそれぞれの仕舞をチェックし姿勢や足さばき、扇の使い方など細かく指導していきます。 粟谷明生さんの指導: 「できるだけ肩も顔も水平に横に動く、かたむかない、まっすぐ。右足引いて座る、これはダメ…。自分の頭切ってる、扇はこう回さないと」 能では型どおりに動くだけではなく、洗練された動きの中での表現力が大切になります。部員たちは自分の稽古以外の時もプロのアドバイスや先輩の技を自分のものにしようと真剣に取り組みます。 そして、今回能面を付けて舞う本格的な「能」に挑戦する部員もいて、粟谷さんの指導にもさらに熱が入ります。 粟谷さんは、自分たちなりの表現を通じて能の魅力を広めていってほしいと期待を寄せます。 ■能楽師の栗谷さんが部員に期待すること 能楽師 粟谷明生さん: 「能は、そぎ落とされた、余計なものはいらない、大事なところしか残っていない、難しい演劇。(部員たちには)せっかく学生の時に学んだものを次の世代の人にまた一緒にやっていこうよという取り組みをしてもらいたい」 部員たちも切磋琢磨しあいながら能の世界を探求し続けます。 東北大学学友会能楽部 相川直子さん: 「まだ知らないことも多いけれど、上級生のきれいな仕舞を目標に、今後練習していきたい」
東北大学学友会能楽部 加宅田咲希さん: 「まずは自分のできる範囲のことを堂々と。私めっちゃうまいですよ、みたいな感じで舞を披露できたらいいかなと思います」 勉強と両立しながら少しでも目標とする舞に近づこうと真剣に能に向き合う姿が印象的でした。能楽部は6月29日に福島県の能楽堂で実際に着物を着て舞を披露します。
東北放送