春ドラマも佳境…『アンチヒーロー』『366日』視聴率では分からない“ネットでバズった”3作品
ウェブ検索でわかるファン以外も含めた注目度
TVerお気に入り登録数だと2位~5位は団子状態になっているが、次にGoogleトレンドでのウェブ検索の数値に着目したい。こちらは単純に、ウェブ上で対象ワードがどのくらいGoogle検索されたかだ。お気に入り登録と違い、作品のファン以外も含め、どれだけの人から注目を集めたかが分かる。 TVerお気に入り登録数トップ5の中で、ウェブ検索最大値を叩き出したのは『366日』の初回だ。執筆時点から過去90日間のデータでは、どのドラマも初回が一番高くなっており、『366日』初回の検索数を100とすると、『アンチヒーロー』初回が89、『ブルーモーメント』初回が63、『Destiny』初回が35、『9ボーダー』初回が31という数値になっている。 『366日』は、全話の平均世帯視聴率は6%とふるっていないものの、やはり“月9”ブランドの船出は作品のファンのみならず、多くの人が気になるのだろう。初回から、広瀬アリス演じる主人公が、眞栄田郷敦演じる高校の同級生と12年越しに想いが通じ合うも、その恋人が事故に遭い意識不明の重体となる衝撃展開。以降も切なく苦しいラブストーリーがじっくり描かれ、視聴を脱落するものと継続するものに分かれつつ、過去90日間を通しての平均ウェブ検索数でも2位となっている。 一方、過去90日間の平均ウェブ検索数トップは『アンチヒーロー』だ。殺人犯をも無罪にしてしまう“アンチ”な弁護士を長谷川博己が軽妙に演じている。こちらは町工場社長殺害事件、クラブの路地裏暴行事件、連続不同意性交事件といった複数の事件が、12年前の糸井一家殺人事件に結びついており、『Destiny』以上に複雑で難解だ。純粋な作品人気に加え、考察合戦も相まってウェブ検索が伸びたと考えられる。 どのドラマも、初回が検索数最高値を記録した後は右肩下がりとなり、終盤で数値が盛り返すことはある。だが、『アンチヒーロー』は5話から8話にかけて、早い段階で右肩上がりになっており、最終回に向け、さらにネット上で盛り上がりを見せそうだ。 以上のことから総じて、TVerお気に入り登録数1位の『Destiny』、Googleトレンドウェブ検索最大値の『366日』、平均ウェブ検索数トップの『アンチヒーロー』が、春ドラマの“ネットでバズった”3作品と言えるだろう。
こじらぶ