放置で「死に至る病」へ、危険な ”肝臓の盲点”…絶対に見逃してはいけない健康診断の項目
脂肪をたくわえる犯人は脂質ではなく、糖質
肝臓が脂肪でキラキラ光ると聞くと、ちょっとゾッとしますよね。ところが、脂肪肝を治す薬はありません。でも、安心してください。食事と運動というシンプルな方法で脂肪肝はよくなります。非アルコール性脂肪肝の場合、一番の原因は肥満です。食事と運動でやせれば、肝臓の脂肪も自然と落ちていきます。 とはいえ、言うは易く行うは難し、ですね。そこで、脂肪肝を治すにはまずは炭水化物を控えましょうとアドバイスするのが『不調を治す 血糖値が下がる食べ方』の著者で消化器外科医、ヘルスコーチの石黒成治さんです。“脂肪”肝なのだから「問題は脂肪分の多い食事では?」と思うかもしれませんが、石黒さんは「控えるのであればまずは炭水化物」と断言します。 過剰なインスリンは肝臓では脂肪酸を合成するように刺激を与えます。その脂肪酸の原材料はもちろん過剰な糖です。その結果、過剰な脂肪酸を処理するために、どんどん肝臓内、そして脂肪組織に脂肪がたまっていくのです。 『不調を治す 血糖値が下がる食べ方』より インスリンは、糖質(炭水化物)を摂ったときに分泌されるホルモンです。糖質を摂りすぎると、血糖値を上げるだけではなく、脂肪肝にもつながっていくのです。
注意したい、お酒との付き合い方
ところで、糖質の摂りすぎ、肥満から脂肪肝になるケースのほか、もう一つの大きな原因は、やっぱりお酒。お酒との付き合いかたはどう考えればいいのかといえば、「少なくともお酒を飲んで赤くなる人はあまり飲まない方がいい体質」と石黒さん。 なぜなら、アルコールは肝臓で分解されますが、その分解能力は遺伝の影響を強く受け、弱い人は弱いままなのです。たとえ飲酒を続けるうちに、だんだん飲めるようになったとしても、肝臓の分解能力が高まっているわけではないので、「毒性物質の代謝に肝臓がパンクしてしまう危険性が」ある、と石黒さんは説明します。 放射線科医として長年がん治療に携わってきた中川恵一さんも『人生を変える健康学』で、お酒とがんの関係について次のように結論づけています。 「一滴も飲まないことが健康に一番」が結論で、酒飲みの私には耳が痛い話です。 お酒は、口や喉のがん、食道がん、肝臓がん、乳がん、大腸がんなど、多くの臓器のがんを増やします。 『人生を変える健康学 がんを学んで元気に100歳』より