視聴率&TVer登録者数の複合分析からわかった〝本当に幅広い層から支持されているドラマ〟とは?
2月も半ばに差しかかり、多くの冬ドラマが中盤に入ってきた。ある程度、その好評不評が見えてきたわけだが、昨今はよく言われているように、オンタイムでドラマを見ない視聴者がほとんどだ。視聴率だけを見ても、真のヒット度は分かりにくいのが実情である。 【これは意外⁉】若者向けだと思っていたら……実は幅広い層に人気だった「あのドラマ」 そこでドラマ事情に詳しいメディア関係者に、視聴率だけでは見えない視聴者からの支持をどう判断しているのか取材してみた。すると、意外な“真のヒットドラマ”が見えてきたのだ。 あるテレビ誌編集者は次のようなことを話してくれた。 「ご存知のように、昨今はTVerのような無料の見逃し配信サービスでドラマを見る人がかなり増えています。とくにテレビ離れが進む若い層は、ドラマもパソコンやスマホで見るのが当たり前で、その多くがTVerで視聴していると見られています。 そこで私たちは、ドラマの視聴率だけでなくTVerのお気に入り登録数ランキングも、ヒットの判断要素に入れています。すると面白いことが見えてくるのですよ……」 一体どういうことか? 「視聴率が上位のドラマと、TVerのお気に入り登録数ランキング上位のドラマとで、逆転に近い現象が起きているのです。たとえば視聴率トップ3のドラマ……、西島秀俊&芦田愛菜の『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)、川栄李奈主演の『となりのナースエイド』(日本テレビ系)、そして反町隆史主演の『グレイトギフト』(テレビ朝日系)ですが、これらはTVerのランキングでは、軒並みトップ10圏外なのです。 一方で、昨今は恋愛ドラマは視聴率が取れず“オワコン”などともささやかれていますが、TVerでは多くが上位にランクインしています。とくに“恋愛の月9の凋落”と話題になっている永野芽郁&山田裕貴の『君が心をくれたから』(フジテレビ系)などは、3位と好調。登録数も100万を超えており、“非オンタイム視聴”派からはかなり支持を得ていることが分かります。 また視聴率が2~3%台を推移と目も当てられない状態の『婚活1000本ノック』(フジテレビ系)ですら、TVerでは8位。順位も登録数も、視聴率上位のドラマより上に位置しているんです。こうして比べてみると、一概に視聴率が良ければOKとは言えなくなってきますよね」(前出のテレビ誌編集者) ということはつまり、視聴率もまずまずでTVerのランキングも良いというドラマが、幅広い層から支持されているドラマということになる。ではそんなドラマは一体どれかというと、1つはクドカンこと宮藤官九郎郎脚本の『不適切にもほどがある!』だ。が、実はもう1つ、意外なドラマも支持されていた。 「ズバリ、櫻井翔主演の『新空港占拠』(日本テレビ系)なのです。サッカーアジアカップの放送と重なった回こそ視聴率を落としましたが、それ以外は6~7%台をキープと上出来のライン。そしてTVerのほうはというと、登録数が100万を超えており2位。それも最近『不適切にもほどがある!』(TBS系)に抜かれるまで、今期のドラマ陣の中ではずっとトップだったのです」(前出のテレビ誌編集者) 『新空港占拠』は、昨年同じ枠で放送された『大病院占拠』の続編。ふくよかな櫻井翔による、まさかのハードボイルドな刑事ものという設定だったが、これが『ドタドタしたアクションがブルース・ウィリスっぽくて、逆にリアリティがあって良い』などと想定外に好評を博した。物語もスピーディーな考察もので、SNS上で大きな盛り上がりを見せたのだ。 「もともと人気グループ・嵐のメンバーとして一定数の“ファン視聴者”を確保している櫻井ですが、加えて作品との意外な相性の良さから、ファンではない層の支持も得た。キャスターとしては、その煮え切らない態度が不評で黄信号が灯っていますが、なかなかしぶといものを感じさせられます」(芸能記者) とはいえ冬ドラマの物語が本格化するのは、まだまだこれから。最後に笑っているのは一体どのドラマか。行方を見守りたい。 ※TVerランキング、お気に入り登録数は2月12日時点のものです。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://twitter.com/FRIDAY_twit 取材・文:奈々子 愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター
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