インド首都で今冬も深刻な大気汚染、外は歩かないという市民も
妊婦のヴァルシャ・ジェインさんは、首都ニューデリーの自宅にこもって過ごすことが多い。インド北部一帯を有毒なスモッグが覆っているためだ。夫も同様に心配しており、生まれてくるわが子が「こんなに汚染された空気」の中で育つことを憂いている。 ジェインさんを含むインド北部の市民は19日、またしても深刻な大気汚染に見舞われた。 ヴァルシャ・ジェインさん 「私は家の外には出ない。家の中を歩き回り、健康的な食事をし、新鮮な空気を吸えるように空気清浄機も置いている。これが私が取っている予防策だ」 「赤ちゃんのことが心配だ。このままの状況が続くと、今後どうなるのか?しかし、医師からは家にいるようにと指示されている。この状況に立ち向かう以外に方法はない」 インドでは毎年冬になると、冷たい空気がほこりや排気ガス、それにパンジャブ州とハリヤナ州で行われる違法な野焼きの煙を閉じ込め、大気汚染を引き起こす。 インド中央公害管理局によると19日、ニューデリーの24時間大気汚染指数は500中の488だった。この指数は0―50なら「良好」だが、401以上は「深刻」とされる。 スイスの専門家は、ニューデリーを世界で最も汚染された都市と位置付けており、大気の質は「危険」に分類されている。 インド政府は、車両の移動や建設活動を制限せざるを得なくなり、学校にはオンラインで授業を行うよう要請した。 同国の気象当局は今週、スモッグが北部ウッタルプラデシュ州へ移動したことでデリーの視界が改善したと発表した。 地元メディアは汚染対策のために導入された厳しい措置により、パンジャブ州、ハリヤナ州、デリーで中小企業340万社以上の生産が減速していると伝えている。