チャールズ国王も学んだ名門寄宿学校、長年にわたる虐待が行われていたことを認める
フィリップ王配とチャールズ国王の母校として知られる、スコットランドの寄宿学校ゴードンストウン。長年にわたって生徒に対する虐待が行われていたことが明らかになった。 【写真】チャールズ国王とアン王女の、心温まるロイヤル兄妹ショット
今週、スコットランドの児童虐待調査委員会の会長レディ・スミスはこの寄宿学校に対する調査結果を発表。「子どもたちが性的、身体的、精神的虐待の危険に晒されていた」「児童虐待が常態化していた」ことがわかったとコメントした。
現在ゴードンストウンで校長を務めるリサ・カーは虐待が行われていたのは主に、1970年代から1990年代初めに行われていたことが調査でわかったと発表している。国王が在籍していたのは1962年から1967年。校長の発表した期間からは外れているが、国王がこの学校を嫌っていたのは有名な話。いじめられたことが原因だと言われていた。国王は自分の子どもたちには同じ経験をさせたくないと思い、より上流階級の子どもたちが集まるイートン校に入れている。 ちなみに国王の弟アンドルー王子はこの学校に1973年に入学。その後もう1人の弟エドワード王子やアン王女の息子ピーター・フィリップスもこの学校で学んでいる。学校は1972年に共学化、アン王女の娘のザラ・ティンダルも在籍していた。
調査でわかったことの一例として男子生徒が職員にレイプされたことや男子および女子生徒への強制わいせつや盗撮が行われていたことが発表されている。ゴードンストウンには幼い生徒たちが通うジュニアスクール、アバローがある。ここでも虐待が行われ「高い割合のスタッフが子どもたちに性的虐待を加えていた」という。虐待が発覚した職員は解雇されたが、警察には通報されなかった。また他の3人の職員が「不適切な行動」の後に退職したことも判明している。報告書は「監督と効果的な児童保護措置の欠如、準備不足のスタッフ、採用方針が十分でなかったことが虐待を招いた」と結論づけている。
ゴードンストウン側は虐待を受けた当時の生徒たちに謝罪。ジュニアスクールのアバローは1999年にゴードンストウンの子会社になっているが、それよりも前の生徒に対する同義的責任も自分たちにあることを認めている。 今回の調査は、2013年に疑惑が生じたことから2015年にスタート。9年の月日がかかったこと、これまでの調査費用の総額が8,200万ポンド(130億円)に及んでいることからも虐待の規模の大きさや根の深さがうかがえる。新聞「デイリーメール」をはじめイギリスマスコミは「歴史的な児童虐待」だと報じている。ちなみに現在チャールズ国王はこの学校のパトロンを、アン王女は学長を務めている。ロイヤルファミリーとも縁の深い名門寄宿学校のスキャンダルが王室にも余波を及ぼすのか、続報を待ちたい。 (写真はゴードンストウンに在籍していた頃のフィリップ王配)