敦賀以西、年内ルート決定見送りへ 与党整備委、地下水など懸念受け
北陸新幹線敦賀以西の延伸について協議する与党整備委員会が、年内を目指していた詳細ルートの決定を見送る公算が大きくなった。19日、複数の政府・与党関係者への取材で分かった。「小浜ルート」の詳細3案から1案を選ぶ予定だったが、工期・建設費が上振れし、京都で地下水への影響や建設残土処理に対する懸念も強まっていることなどから絞り込みは難しいと判断した。整備委が目標とする2025年度着工も困難との見方が出ている。 敦賀から小浜、京都を経て新大阪に至る小浜ルートの詳細3案は▽京都駅の東西を通る「東西案」▽同駅を南北に貫く「南北案」▽同駅から約5キロ離れた「桂川案」。関係者によると、整備委は20日に開く会合で3案のうち、工期が最も長い東西案を外す一方、1案に絞り込むまでには至らず、年内のルート決定は見送る方向になるという。 国土交通省が8月に公表した試算では小浜ルートの工期が当初想定の15年から最長28年、事業費は2兆1千億円から最大5兆3千億円に膨らんだ。整備委が13日に開いた会合では大阪、京都府知事、京都市長が地下水や建設残土に関する懸念を表明していた。 ルートを巡っては敦賀から米原につなぐ「米原ルート」への再考を求める声が石川などで強まっている。