「デジタル田園都市」の背景に渋沢栄一と私鉄最大手銘柄
2000年に復元された田園調布駅旧駅舎(筆者撮影)
足元のマーケットで起きている事象や注目テーマについて、過去の歴史を基に株式投資のヒントを探る連載「賢者は歴史に学ぶ」。第2回のテーマは渋沢栄一が描いた理想の都市づくり、「田園都市」だ。 連載第1回の前回 は、岸田文雄首相の「デジタル田園都市国家構想」の歴史をひもといたが、「田園都市」という考え方自体は、イギリスの都市問題啓蒙家、エベネザー・ハワードが19世紀末に提唱した「Garden City」にさかのぼる。 社会的・経済的利点を持つ都市と、緑や自然環境に恵まれた農村との“結婚”によって職住近接型の住宅都市を郊外に建設するという構想で、ハワードはロンドン郊外にレッチワースという田園都市を作った(1903年着工)。これがモデルとなって、イギリスをはじめ欧米で田園都市が建設されていった。 この思想を基に、日本でも理想的な田園都市を作ろうと考えたのが渋沢栄一だった。
本文:2,810文字
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岡田 晃