『台湾はだか湯めぐり』著者の台湾出身の漫画家・捲猫さんが『シティーハンター』を大好きだったワケ
いちばんのおすすめは?
――日本で行ったことがある温泉、印象に残っている温泉を教えてください。 静岡県の伊東や下田、千葉県の養老渓谷、兵庫県の城之崎、香川県の小豆島など、全国あちこち行っています。なかでも、小豆島の温泉は湯船から海が眺められて、お湯も海水みたいにしょっぱくて、特に印象に残っていますね。温泉ではないですが、京都の銭湯にも行ったことがあります。 ――今後行ってみたい日本の温泉はありますか? 今回の日本滞在中に、長野県の上諏訪温泉にある「片倉館」に行く予定です。というのも、本の中で紹介している「北投温泉博物館」と片倉館は設計した建築家が同じで、とても似た造りの立ち湯の大浴場があるんです。北投温泉博物館は見学のみで入浴はできないのですが、片倉館は入浴できるのでそれが楽しみで楽しみで。今まで、“立ち湯”というものに入ったことがないので、とても興味がありますね。 ――日本の読者が台湾の温泉に行くとしたら、どこがいちばんおすすめですか? 今回紹介している温泉の中だと、「北投温泉」がおすすめですね。台北から公共交通機関で行けて、最寄り駅のすぐ目の前が温泉街という利便性のよさで、個室温泉や温泉銭湯、24時間営業や高級温泉まで、選択肢が多いのも魅力です。たまに、日本人の旅行者に会うこともあって、台湾のおばさんたちが懸命に話しかけて交流しようとしている光景にもほのぼのします。 実は今、『台湾はだか湯めぐり』の続編の取材を進めているのですが、今後紹介予定の台湾北東部にある宜蘭の礁渓温泉もおすすめです。台北から電車やバスで40~60分で行けて、町全体が温泉街になっているので観光も楽しめますよ。
東部・中南部篇も制作中
――『台湾はだか湯めぐり』は続編制作中なんですね! はい。今は2巻目の東部篇の取材を進めていて、イラストも3分の1ぐらいまで描き進めたところです。ありがたいことに、3巻目の中南部篇まで出すことが決まっていて、全3巻で台湾全土を紹介する計画です。 日本のみなさんに楽しく本書を読んでいただき、機会があればぜひ台湾のはだか湯を体験していただけたら嬉しいです。 捲猫(まきねこ) 台湾台北出身。国立政治大学広告学科卒業。英国キングストン大学イラストレーション・アニメーション科イラストレーション専攻修士。動物を描くのが好き。大学・大学院卒業後、長らく同人誌会場に出没。独立出版物に、絵本スタイルのコミック作品『刺蝟的愛(ハリネズミの愛)』『捲兔的留英人生(捲兔の英国留学人生)』などがある。2022年、台湾・原動力文化より『捲兔的台灣裸湯:北部篇(台湾はだか湯めぐり:北部篇)』を刊行。温泉旅行と節約ライフが好き。人生の幸福とは、家族が健康であること、期限間近商品のショッピング、飲み物を買う時マイボトルを持参して5元割引してもらうこと。
田辺千菊