新温水プール整備に向け方針定める 館山(千葉県)
館山市営25メートル室内温水プール(同市湊)が今年度末で廃止されるのに伴い、新しい温水プールの設置の可能性を検討してきた同市は、財政負担をかけない方法で、整備・運営に向けた具体的な検討を進めるという整備方針を定めた。令和6年度に検討委員会を立ち上げ、検討を始める。 昭和45年開設の現温水プールは、老朽化が著しいため3月末で廃止することになり、同市では、市民・利用者アンケートや先進事例の調査などをして、新設の可能性や代替施設の検討をしていた。 新設しない判断も含めて検討していたが、そもそも多くの利用者がおり、アンケートなどでも必要性が確認されたため、誰もが気軽に利用できる温水プールの整備を目指して、具体的な検討を進めることとした。 ただ、市の財政は厳しく、多額の市費を投入することは困難として、財政負担をかけない方法でという条件を付け、整備方針を定めた。 財政負担の軽減については、官民連携による整備・運営や、整備に当たっての国の補助金や交付金、ふるさと納税、寄付などによる財源確保、省エネ設備やネーミングライツの導入、使用料の値上げなどあらゆる手段を検討していくという。 整備する場所は、新たに用地を購入するのでなく、学校再編に伴う学校跡地の利活用を検討する。6年度中に「新室内温水プール整備検討委員会(仮称)」を設置し、整備に向けて財源の確保や整備手法などの議論を進めていく。 また、今回の方針には、現在の施設廃止に伴う代替施設として、6年度以降に市内のスポーツクラブプールの市民へのコース貸し(3コースで週2回、2時間)をするなどの対応も盛り込んだ。 市によると、市営温水プールの利用者数は、人口減少の中でも増加傾向にあり、4年度は2万6339人を数え、同市の社会体育施設の中で最も多い利用者があったという。 市民・利用者アンケートでは、利用者はもちろん、市民の46%が温水プールを「必要」と回答し、「必要ない」の27・4%を大きく上回る結果となり、市水泳協会からは4194筆の署名とともに設置を求める要望書も出されていた。 なお、整備する際の費用は、現在の同規模の温水プールで概算約10億円、年間の維持管理費は1500万~2000万円程度かかる見込みだという。