エサから一転人気者に 天王寺動物園「幸運のニワトリ」話題
テレビの情報番組などで話題に
関西発 どうぶつさん エサが一転人気者に 天王寺動物園「幸運のニワトリ」話題 THEPAGE大阪 レポート:岡本ゆか 編集:柳曽文隆
私「幸運」持ってます!?──。大阪市天王寺区にある天王寺動物園の園内で飼育されているニワトリがいま、テレビの情報番組などで紹介され話題を呼んでいる。本来なら肉食獣のエサとされているはずがピンチを何度もすり抜け、今では職員と散歩する姿が人気に。いつしかその境遇も噂となり「幸運のニワトリ」と呼ばれ、「抱っこさせてほしい」というファンが多いという。果たしてどのような境遇だったのか、6日に同園を訪ね飼育担当の職員に話を聞いた。
元々はアライグマのエサ用ヒヨコだった
同園によると、いま人気を集めているのはニワトリの「マサヒロ」。「本来であれば、マサヒロは飼料になるか鶏ガラスープのもとになるか、ウチに来なくてもそうなる運命でした」と語るのは、同園の西村慶太さん(47)。 元々、マサヒロはヒヨコとしてアライグマなどがいる夜行性動物舎用の小型肉食動物の「生きエサ」となるはずだった。 しかし、ここで運命の出来事が起こる。「ちょうどマサヒロたちが来たころに、人工ふ化したマガモのヒナがいまして。そのヒナが1羽だとエサを食べなかったんです。そこで、エサを食べる実演をマサヒロらがしてくれて」と西村さん。おかげで、マガモはマネをしてエサを食べるようになったという。
イタチの罠になってもセーフ、トラのエサ役には選ばれず
昨年秋には、同園内にある「鳥の楽園」の動物をおびやかすイタチを捕まえるために、罠として3日間「おとり」のエサを務めたことも。だが、そこでもイタチは現れず、生き延びた。 また、ヒヨコから成長する過程で、本来であればライオンやトラといった大きな肉食獣が少し調子の悪い時の生きたエサとして欲しいという要望もあったりするが、そうした役目に選ばれることはなく生き延び、結局は飼われることに決まった。 現在は、主にマサヒロが職員と園内を散歩する際、子供らから「ニワトリさんだー」と呼ばれては人気を呼び、抱っこさせてもらう光景もよく見られる。 また、そうした境遇から「幸運のニワトリ」として噂が広まり、さらに人気が高まっているという。そして、実はもう1羽、マサヒロの弟分で同じ境遇を味わってきた「ヨシト」というニワトリも散歩をし始めており、マサヒロと人気を二分しそうだという。