200本の「阿島傘」園舎を彩る 手作り作品披露の場に 長野県喬木村
長野県喬木村阿島の旧北保育園園舎で24日まで、同地区に江戸時代から伝わる和傘「阿島傘」のライトアップが行われた。村内唯一の傘商店「菅沼商店」をはじめ、村民有志でつくる保存会「阿島傘の会」や役場職員による「阿島傘をつくろうクラブ」、喬木第一小学校の児童など、村民が手作りした傘200本を展示。多彩な色や柄が鮮やかに映し出され、訪れた人の目を楽しませた。 阿島傘を広くPRするとともに村民の関心を高めようと、阿島傘の継承・発信などに取り組む地域おこし協力隊の水谷槙さん、小林旅人さんらが企画。イベントの定期的な開催を見据えて、傘の会やつくろうクラブのメンバーらが展示と装飾を手掛けた。 喬木第一小では毎年4年生が阿島傘を制作しているものの村民らに見てもらう機会は村文化祭のみといい、新たなお披露目の場としても活用。今回の展示には8年ほど前からの作品も含む。村のイメージキャラクター「ベリー&ゴー」や特産品のイチゴなどをあしらった楽しい傘が笑顔を誘った。 小林さんは「一生懸命作った傘を披露する場所が増えることで、子どもたちの制作意欲も増すのでは」と期待。「制作から展示まで、村のたくさんの人が関わる展示会。これだけ多く地元の人たちが関わる和傘の展示は、他にないと思う」と目を細めた。 補修進む「大傘」 園舎の一角では、4月から村が展開する、村発足150周年事業の一環と位置付ける「阿島の大傘」の補修作業が行われている。1989年の村発足115周年記念事業として村民有志らが制作した直径約6メートルの大傘で、経年劣化を受け今回紙の張り替えを行う。 大傘の新たな柄には、イベントなどで集めた村民ら約1000人分の手形を用いた。5色で押した手形は、遠めに見ると花が咲いたように見える。 補修を手掛ける小林さんによると、今月中に作業が完了する見込みという。「どの辺りに手形を押したか、協力いただいた皆さんが分かるようにする計画。自分の手形を探すなど楽しんでもらえたら」と話している。