Appleの「Vision Pro」で初の暗号資産メタバースアプリ公開へ──Victoria VRが開発中

暗号資産（仮想通貨）と仮想現実（VR）の融合を目指す開発会社Victoria VRは、ブロックチェーン関連企業による初のメタバースアプリをAppleのヘッドセット「Vision Pro」でリリースできるよう取り組んでいると発表した。 Victoria VRは2日の声明で、このプロジェクトのメタバースは「超リアルなグラフィックと没入型のゲームプレイ」で構成されており、Vision Proの技術を補完することができると述べた。 アプリの公開は今年第2四半期に予定されている。 Victoria VRは、「AppleのVision Proの多くの機能を誇示すると同時に、Web3技術の力を披露する精巧なデジタル環境を形成するものだ」と表明した。 Vision Proは、2月2日に発売されたApple初の未来的なヘッドセットで、大きな話題になっている。Appleはこの商品で仮想現実エコシステムに進出することになる。メタバースへの関心は薄れつつあるが、テクノロジー大手がVR分野に進出するのはこれが初めてではない。Vision Proは、テクノロジー大手Meta（旧Facebook）が既に販売しているヘッドセット「Meta Quest」の競合製品となる。

VRトークンが高騰

Victoria VRのメタバースではVRトークンが使用され、アクティブユーザーとステーキングをした人に報酬が与えられるそうだ。VRトークンは、イーサリアム（Ethereum）ブロックチェーンのERC-20規格で作成されている。 ゲーム内アセットの販売から得られる収益の半分は、ステーキングをした人とメタバースのアクティブユーザーに再分配される。 プレスリリースによると、「Victoria VRのアプリ内経済はVRトークンによって促進され、これはすべての参加者の利益のために仮想環境を強化する活動を奨励する目的で使用される」という。 CoinMarketCapのデータによると、VRトークンは過去24時間で60％近く急騰し、時価総額は1億300万ドル（約149億3500万円、1ドル145円換算）となっている。 プロジェクトのウェブサイトに掲載されたホワイトペーパーによると、「我々はVictoria VRをすべての人が利用できるようにしたいと考えている。そのため、市民はこの世界に参加するだけでVictoria VRを獲得できるようになる。それは『pay-to-speed（スピードに対して支払われる）』であって『pay-to- win（勝利に対して支払われる）』ではない」とされている。 ホワイトペーパーには、「これらのERC-20トークンは、プロジェクトの開始時に主な収益源となる」と書かれている。 ｜翻訳・編集：林理南｜画像：Apple｜原文：Apple's 'Vision Pro' Set to Get First Crypto-Focused Metaverse App From Victoria VR