なにわの伝統野菜「吹田くわい」栽培を郵便局で
「なにわの伝統野菜」に選ばれている大阪府吹田市の特産品「吹田くわい」が、市内の32郵便局で栽培されることになった。地域住民に身近な郵便局で成長過程を見守ってもらうことで、希少な吹田くわいの認知度を高めるのがねらい。 吹田くわいは、一般的なクワイより小粒で、甘味があるのが特徴。江戸時代には京都御所に献上されたこともあったが、昭和30年代には宅地開発や除草剤の影響などもあって「幻の野菜」と呼ばれるほど絶滅の危機に瀕した。近年は、吹田くわい保存会などの活動で、収穫量が少しずつ回復しているという。 市と日本郵便は昨年9月に包括連携協定を締結。市内38郵便局に根ざしたネットワークを活用して特殊詐欺の被害防止や地域の見守り活動などを展開しており、吹田くわいの栽培でも住民のコミュニケーションの広がりなどが期待されている。 事業開始にあたり、関係者が参加して苗の受け渡し式が吹田郵便局で行われ、吹田くわいをモチーフにした市のイメージキャラクター「すいたん」や、日本郵便の公式キャラクター「ぽすくま」も姿を見せた。 市によると、栽培場所が屋外か、屋内かは各郵便局で異なるが、訪れた人たちが成長を見守ることができる場所で大切に育てるとしている。順調ならば年末に収穫の時期を迎えるといい、市の担当者は「各郵便局で吹田くわいの出来を品評したい」と話している。