野菜価格が軒並み高止まり キャベツは平年比2・4倍、日本人の野菜不足に拍車懸念も
野菜の価格が軒並み高騰している。農林水産省が26日発表した食品価格動向調査によると、18~20日の野菜小売価格(全国平均)はキャベツが平年比(過去5年平均)で2・4倍も値上がりし、その他の野菜も10~50%も高かった。25日に厚生労働省が公表した国民健康・栄養調査では、2023年の成人の野菜摂取量が過去最低を記録するなど日本人の野菜不足が改めて顕在化。天候不順や農業資材高騰の影響で野菜の高止まりが続けば、日本人の野菜離れに拍車がかかりかねない状況だ。 ■ダイコンやハクサイは1.5倍に 農水省によると、キャベツが前週比では18%高の1キロ417円だった。主要産地の千葉県産が、今夏の高温で生育不足となり出荷数が制限されたことが影響した。「12月中旬には価格は落ち着くと思われるが、平年に比べて高い状況は続くとみられる」(園芸作物課)という。 他には、ダイコンが平年比56%高の269円▷ハクサイが53%高の285円▷レタスが40%高の663円▽ネギが33%高の993円▽トマトが19%高の1141円ーなど。多くの野菜で平年を上回る価格となっている。 ■野菜摂取量が過去最低を更新 野菜価格の高騰で懸念されるのが、日本人の野菜摂取量に対する影響だ。 厚労省が25日公表した調査結果によると、20歳以上の1日の野菜摂取量の平均値は256・0グラムで、現行の調査方法になった1995年以降で過去最少だった。政府が定める摂取量の目標値(350グラム)を大きく下回り、いずれの年代も目標値以上を摂取しているのは3割に満たなかった。特に20代は男女ともに10%台にとどまるなど、若い世代ほど摂取量が少ない実態も明らかになった。 安定した低い価格から「物価の優等生」と言われたモヤシまでも値上がりする中、消費者の節約志向は高まっており、日本人の野菜不足の解消はさらに難しくなりつつある。農水省は20年12月から「野菜を食べようプロジェクト」と題した消費拡大に向けた取り組みをスタートさせ、啓蒙活動や野菜に関する情報発信などを積極化させているが、大きな効果は得られていない。