タクシーの初乗り料金が370円に?国交省が導入をめざす理由
東京23区なら「880m370円」の可能性も
ワーキンググループでは実証実験に向け、初乗り料金と距離の組み合わせをどうするか議論が始まっている。実証実験を行う地域はまだ決定していないが、例えば東京23区で行うとすると、現在初乗り料金は2km730円で、280mごとに90円が加算されていくしくみ。この「280mで90円」の料金体系を守りながら実証実験を行う場合、初乗り料金と距離の組み合わせは1.72kmで640円、1.44kmで550円、1.16kmで460円、0.88kmで370円が考えられる。国交省の担当者は「これらはあくまで来年度の実証実験での料金案。実際に政策として導入する場合には『2km730円』という料金体系自体を変えることになるだろう」と話す。 業界では、客あたりの単価が安くなるとして減収を懸念する声もある。国交省の担当者は「2km未満の乗客の単価は落ちてしまうが、その分短距離需要の増加で利益が上回るかどうか。実証実験で効果を試していく」としており、実証実験の結果次第で制度の導入を検討していく方針だ。 (安藤歩美/THE EAST TIMES)