3年前に辞めた会社がブラック企業で、今思えばほとんど「残業代」をもらっていません。今から申し出ればもらえますか?
残業代請求の時効は3年間と定められている
すでに退職している会社がブラック企業で、当時は残業代をもらえなかったとしても、残業代請求には時効が認められています。なお、残業代請求の時効は、労働基準法第115条(時効)によって、賃金請求権の消滅時効期間を5年(旧法は2年)に延長しつつ、当分の間はその期間を3年とされています。 残業代をもらっていないようであれば、速やかに不足分を請求しましょう。3年が経過したものから順次時効となるため、請求を行うならば、早いに越したことはありません。時効を迎えてしまったら、いかなる理由があっても、請求は認められない点に注意してください。 ■退職後でも請求が可能 残業代の請求は、時効を迎えていなければ、退職後でも行えます。ただし、企業が未払いの残業代があることを認めない場合や、労働審判や訴訟に発展する可能性も高いようです。そこで、請求手続きをスムーズに進めるためにも、以下の残業代未払いの証拠を事前にそろえておきましょう。 ●タイムカード ●勤怠記録 ●パソコンのログイン履歴 ●残業時間を証明できる業務上のメール ●業務日誌 ●通勤のために使用した交通ICカードやデータ 日記やメモは後から記載が可能なため、証拠としては不十分かもしれません。また一つではなく、複数用意できたほうが、証拠としての確実性を高めるためには有効です。 未払いの残業代を正しく計算して、証拠を集めたら、会社との交渉を進めてください。しかし、会社が、個人からの残業代の請求に応じないケースも有り得ます。請求に応じてもらうには、弁護士などの専門家に交渉を依頼したほうが、有利に話を進められるでしょう。
時効になる前に未払いの残業代を請求しよう
「すでに退職した会社がブラック企業で残業代をもらえなかった」という場合でも、時効を迎えていなければ請求は行えます。その際に、退職済みかどうかは問われません。どれくらいの未払いがあるのかを確認して、残業代を証明できる有効な証拠を用意したうえで、手続きを進めましょう。 ただし、会社が残業代の請求に応じない可能性も高いので、確実に受け取りたいのであれば、弁護士などの労務問題の専門家に相談して、対応を依頼したほうがスムーズでしょう。 出典 厚生労働省 事業主の皆さま、労働者の皆さま 未払賃金が請求できる期間などが延長されています しっかり学ぼう!働くときの基礎知識 時間外・休日労働と割増賃金 デジタル庁 e-Gov法令検索 労働基準法 第24条、第115条(時効)、第120条1項 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部