21歳・山本匠真 10秒08で2位「雲の上と思っていた舞台が明確に」広島大4年生がリレー侍狙う
「陸上・布勢スプリント」(2日、ヤマタスポーツパーク陸上競技場) 男子100メートルは、広島大工学部4年生で、5月に開催された世界リレー大会代表の山本匠真(21)が、2・8メートルの追い風参考記録10秒08の自己ベストで2位に入った。鈴木涼太(スズキ)が10秒06で2連覇。坂井隆一郎(大阪ガス)は10秒12で3位、2016年リオデジャネイロ、21年東京両五輪代表の桐生祥秀(日本生命)は10秒19で7位だった。 国立大工学部から五輪を狙う逸材が本領発揮だ。山本は予選で10秒16と自己ベストを更新すると、決勝は桐生、坂井ら実力者を押しのけ、2位に入った。「世界なんて雲の上と思っていた舞台が明確になった」と、伸び盛りの21歳は声を弾ませた。 広島大陸上部では「コーチは名目上はいるが、基本的に自分で考えて練習」という環境にいる。広島国泰寺高から「工学部で地元にいい大学があるので」と進学。陸上を続けるつもりはなかったが、練習見学で「楽しそうだな」と感じて陸上部に入部した。体力づくりや栄養管理など自己流で研究し、3年間で体重は5キロ増とパワーアップ。5月の世界リレーは決勝を欠場したサニブラウンに代わって出場し、4位入賞に貢献した。 27日からの日本選手権(新潟)は、五輪のリレー代表を目指して出場する。100メートルの代表入りは世界ランクでは可能性が薄いものの、参加標準記録の10秒00をクリアして優勝すればワンチャンスある。「個人で五輪を狙うとしてもパリではないのかな」と冷静に分析するが、伸び盛りの可能性は無限大だ。 ◆山本匠真(やまもと・しょうま)2002年6月20日、広島県出身。広島国泰寺高を経て、広島大工学部4年在学中。陸上部に所属する。5月4~5日にパナマで開催された世界リレーの男子400メートル日本代表で4位。176センチ、68キロ。