馬渕磨理子さん(40)経済アナリストとして順調な中、乳がんに…「声を上げずに闘病している方がいかに多いか知りました」|STORY
YouTubeでの公表、声を上げずに我慢して闘病している方も社会にはいること
発覚したときは「なんで今なんだろう」とか、お仕事が詰まっていたのでお断りしないといけないのがつらかったですね。仕事関係者の方に「実は…」とお話したら、当然誰も喜ばないしみんなすごい悲しい顔をされるので、聞いた相手も相当しんどいのだなと思いました。だからYouTubeという楽しいはずの場でお伝えするかどうかすごく迷いました。でも、検診の重要性は伝えた方がいいと思い、公表することにしました。割合は低いんですけど、実は男性乳がんの方もいらっしゃるのでSTORY読者さんの旦那さんも検診に行くといいと思います。 YouTubeのコメント欄はいまだに見たら泣けてくるんですけど、皆さんあたたかいです。人生を教えてもらうような言葉もたくさんあるし応援にもなる。これだけ言ってもらっているんだから復帰してちゃんとお返ししないと、と思いました。「検診行きました」とか「奥さんをちゃんと検診に連れて行きました」といった声もいただきました。同時に、声を上げずに我慢して闘病している方がいかに多いかを知りました。会社に言わずに内緒で手術して、生理休暇を使って抗がん剤を打って、何もないかのように振る舞って。病気のことを言ったらキャリアが途絶えるんじゃないか、今のポジションを外されるんじゃないかとみんな心配だから言えない。言っても戻って来られる、安心してキャリアが守られる、そういう社会にはまだちょっと遠いような気がします。医療の進化によって、病気の後も戻ってこられるんだということを経営者の皆さんに知ってほしいです。たしかに病気のことを誰かに言うことでもう1回傷つくので、わざわざ言う必要はないけれど、せめて直属の上司とか管理部のホストぐらいには共有できて、少しでも配慮のある働き方ができるような社会になってほしいなと思います。 撮影/加治屋圭斗 取材・文/香取紗英子 ※衣装は本人私物