心臓リハビリ、身近な場所で続けよう 横浜市が支援施設検索マップ公開
心筋梗塞や心不全といった心疾患の再発や死亡リスクの軽減に効果がある「心臓リハビリテーション(心リハ)」を治療後も継続してもらおうと、横浜市は、市内のリハ支援施設を検索できるマップを公開した。医療機関の協力を得て地域でリハを続けられる環境整備を進めており、自己管理移行後の健康管理をサポートする。 心リハは、個々の患者に合わせた安全で効果的な運動療法や食事・服薬指導などを組み合わせた総合的なプログラム。市内では28医療機関が実施しており、医師や理学療法士、栄養士らが関わっている。心臓リハビリテーション学会によると、治療後のリハ継続により心筋梗塞や狭心症の患者の死亡率が26%、入院リスクが18%低下するといい、健康寿命の延伸に効果が高い。ただ、保険適用の対象は通院リハ中の150日間に限られ、自己管理移行後は継続率の低さが課題となっていた。 市は心リハの普及を目的に2019年度に推進事業に着手。協力する医療機関を22施設に増やし、連携を深めてきた。マップには市が認定した99の運動施設や17の介護サービス事業者を掲載。これらの施設に協力医療機関が発行する「情報提供シート」を持ち込むと、プログラムに沿った支援を受けられる。健康運動指導士の資格を持つスタッフらがサポートする。 心リハは心疾患の再発防止の効果が高い一方、認知は進んでいないのが実情だ。市が昨年実施した市民アンケートでは、言葉も内容も知っていると回答した市民は4%にとどまった。市の担当者は「心疾患は治ったらおしまいではなく、リハの継続が重要。再発・再入院の防止につなげてほしい」と話している。市のホームページでは漫画冊子などで内容を紹介している。
神奈川新聞社