役所広司、映画『PERFECT DAYS』とともに世界を巡った1年を回想「“映画の力”を実感」
フランス現地時間25日に開催された「第77回カンヌ国際映画祭」授賞式で、最優秀女優賞プレゼンターとして登壇した役所広司からコメントが到着した。昨年の同映画祭で最優秀男優賞を受賞したことから始まった、映画『PERFECT DAYS』のこれまでの軌跡を振り返るように「この1年、映画とともにいろんな国をまわって“映画の力”というものを実感しました」と語った。 【画像】カンヌ映画祭からアカデミー賞まで思い出の写真 授賞式には、最優秀監督賞プレゼンターとして、映画『PERFECT DAYS』でタッグを組んだヴィム・ヴェンダース監督も登壇していた。 ■役所広司のコメント ちょうど一年前、ここカンヌで男優賞をいただき それから「PERFECT DAYS」という映画とともに たくさんの国へ旅をしてきました。 ヴィム・ヴェンダース監督の日本への愛はとても深く、 彼を通して日本を知り、興味をもってくださった方も 多くいらっしゃいました。 この1年は、日本の素晴らしさを伝えていく 時間だったようにも思います。 それぞれの国の観客のみなさんとの交流で あらためて「映画の力」の素晴らしさを実感しました。 それは国境を越え、価値観を超え、 私たちを結びつけてくれます。 映画は、他人の痛みを感じる心を 育ててくれるものだと思います。 この力を必要とするひとが、 世界にはたくさんいます。 私たちは連帯し、高めあって、 そして伝え続けなくてはいけません。 映画も今、たくさんの問題を抱えています。 でも映画のもつ美しい力を信じる心がある限り、 きっと乗り越えられると私は信じています。 この1年の素晴らしい旅がはじまりの場所、 カンヌでひとつのゴールを迎えることが とても嬉しく、そして寂しくもあります。 次へ、前へ、 みなさんと進んでいけたらと思います。 ■『PERFECT DAYS』 『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、数々の傑作を世に送り出し続けてきたドイツのヴィム・ヴェンダース監督が、役所を主演に迎え、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた『PERFECT DAYS』。 昨年の「第76回カンヌ国際映画祭」で役所が最優秀男優賞を受賞したことを皮切りに、「第50回テルライド映画祭」、「第48回トロント国際映画祭」、「第71回サンセバスチャン映画祭」、「第60回台北金馬映画祭」と名だたる映画祭に招待された。さらに、米国の「第96回アカデミー賞」では国際長編映画賞・日本代表としてノミネートされた。 米国では、「第94回アカデミー賞」で作品賞、脚色賞、監督賞、国際長編映画賞にノミネートされた『ドライブ・マイ・カー』の235万ドルや、「第71回カンヌ国際映画祭」パルムドールを受賞した『万引き家族』の331万3000ドルを上回る興行収入350万ドルを突破している。 日本国内では昨年10月開催の「第36回東京国際映画祭」でオープニング作品として上映され、昨年12月よりTOHOシネマズ シャンテをメイン館として全国公開がスタート。日本アカデミー賞(優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞)、キネマ旬報ベスト・テン(日本映画監督賞、主演男優賞)を受賞。現在、興行収入は13億円、動員は90万人を突破。公開から5ヶ月が経ち、ロングランを記録している。7月26日にはヴィム・ヴェンダース監督直筆ドローイングをはじめとしたアイテムを多数収録したBlu-ray&DVDの発売が決定している。