「ゼロ高」設立 堀江貴文氏が学校教育や教養について語ったこと
じゃあ「学校の殻」はつくろうと
堀江氏は、現在の普通科高校での3年間は「ほぼ無駄になると思う」と言い切る。しかし、一方で、親や教師からの「高校くらいは出ておきなさい」という考え方は根強いものがあるとも明かす。 実はすでに、自身が主宰する会員制コミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」を立ち上げている。大学校とは銘打ってはいるが、サイトにも「みなさんがイメージする大学ではありません」との注釈がある通り、実際のプロジェクトへの参加やメンバー間の交流などの体験に重きを置いたものになっている。 そのHIUに、高校生から「入れますか」という問い合わせがあった。1万円の会費を払えば誰でも入れる旨を伝えるものの、「じゃあ学校を辞めてHIUに入ろうというやつはいない」。そこで「じゃあ『学校の殻』はつくろう」と考え、「高校卒業資格を取ることはペーパーテストでできるから、通信制でもいいのかな」と、今回の「ゼロ高」設立につながったと説明した。 ちなみに「ゼロ高」は、学校教育法上の高等学校ではない。所定の単位を取得して高卒資格を得る高校には「全日制」「定時制」「通信制」があるが、「ゼロ高」はそのうちの通信制高校の「サポート校」の位置づけになるという。そのため、「ゼロ高」に入るだけでは高卒資格は得られないが、広域の通信制高校「鹿島山北高」(神奈川県)と教育提携することで、通信制高校として高卒資格を取得できる。 「机上の空論ではなく、実在の社会活動へ参加、行動し、学びを得られる教育機関」としており、HIUのメンバー、実業家や有識者など堀江氏のネットワークを生かした実際のプロジェクトに参加することができるという。具体的には、堀江氏も関わる宇宙ロケットの開発・発射や、和牛の生産・販売、寿司職人になるための技術・経営手法の修得、ファッション分野などの活動で、その道のプロに学べる環境があるとしている。 入学できるのは高校を卒業していない人のみだ。