「復帰した時のことを考えて」…松本人志騒動で在阪テレビ局があえて曖昧コメントになる特殊な事情
「吉本の方にお聞きしたいんですけど、吉本興業と松本(人志)さんは、ちゃんと連絡、意思疎通はとれてるんですか?」 【すごいド派手な美女ばかり】すごい!博多で松本人志の合コンに参加した美女たち 1月21日、『ワイドナショー』(フジテレビ系)にレギュラー出演している神田愛花は、隣に座るコメンテーターの今田耕司に鋭く切り込んだ。それに対し今田は、 「それが僕らもわからないのが、意思疎通ができてんのかなと思ってます……」 と、困惑気味に話していた。1月14日放送の『アッコにおまかせ!』(TBS系)では、『ホリプロ』の所属タレントの和田アキ子が、系列会社所属の『スピードワゴン』小沢一敬について謝罪をしている。松本と中居正広との冠番組『まつもtoなかい』(フジテレビ系)は、次回以降、中居が一人で担当することが1月21日の予告で流された。7番組のレギュラーを持つ松本の不在により在京テレビ局はいまだにバタバタしているが、それ以上に大混乱に陥っているのが在阪局だという。 「実は松本人志さんが出演するレギュラー番組の多くは、在阪局が制作する全国ネットです。この先のことも含めて、何かと深刻なのは吉本興業とのパイプも太い在阪テレビ局だと言われています」(民放バラエティ番組制作関係者) 在阪テレビ局といえば、1月12日に放送されたABCテレビ『news おかえり』で、芸能リポーターの島田薫氏の発言が大きな話題となった。 《『事実無根』『そういった事実はない』という発言がありましたけども、それが何を指すのかというところで揺れていた部分がありました。実際に飲み会も何もなかった、本当に事実無根なのか、というところもあったんですけど、これ、事務所に確認しました。そうしましたら飲み会自体はあったそうです。それから、そういう行為もあったようです》 《(そういう行為は)強要したものではなく、いわゆる同意があったということです。無理やり何かしたというわけではないということなので、裁判では今後、そこが争われていくことになるんだと思います》 このように指摘したのだ。すると、ABCテレビ(朝日放送テレビ)は1月14日までに公式サイトを更新。島田氏がコメントした内容について、 《現時点でお伝えした内容が事実であるという確証は得られませんでした》 と報告した。続けて、 《このようなセンシティブな事案を放送するにあたっては、朝日放送テレビとしても確認を徹底する必要がありましたが、現時点でお伝えした内容が事実であるという確証は得られておりません。朝日放送テレビでは、より一層、正確・誠実な報道を心がけて参ります》 とした。 「一連の流れには違和感しかありませんでした。現在、在京テレビ局制作のワイドショーやニュースに芸能リポーターの出演は少なくなりましたが、ローカル局制作の番組には毎日“芸能コーナー”が設けられており、そこを仕切るのは芸能リポーターたちです。もちろん、ディレクターがネタ選びや構成に参加していますし、最終ジャッジは番組プロデューサーがします。 島田リポーターが吉本の誰に取材したかは不明ですが、下っ端の社員だとは考えにくい。それこそ“センシティブ”なことですから、リポーター1人の暴走でコメントしたということは通常ありえません。それなのに、番組としてあのようなコメントを出したのは、吉本興業から注意があったか、局の上層部からの忖度がはたらいたかの、どちらかでしょう」(在阪テレビ局関係者) ABCといえば、『M-1グランプリ』を制作しており審査委員長は松本だ。さらに松本が番組で局長を務めている『探偵!ナイトスクープ』もABCテレビの看板番組だ。忖度がはたらいてもおかしくない。 さらに問題となっているのが、読売テレビの大橋善光社長の発言だ。 読売テレビといえば、日本テレビ系列で『ダウンタウンDX』を制作している。1月17日に行った社長会見で、『週刊文春』に被害を告発した女性と松本が報道番組で対決するのであれば「今すぐにでも放送していい」とコメントし、当然の如く、大炎上している。 「『ダウンタウンDX』は同局制作の数少ない全国ネット番組ですから、社長の思い入れも強いことはわかります。ただ、現代の風潮や世間の流れからズレていた発言だったことは否めません。 『視聴率がとれればいいのか』『だから視聴者がテレビ離れを起こしているのがわからないのか』などという批判の声があがっています。一方で、我々テレビマンの間では、在阪テレビ局と吉本興業、そして松本さんとの切っても切れない関係が表されているともっぱらの話題になっています」(在阪テレビ局に出入りする制作会社スタッフ) では、なぜ揃いも揃って、このような曖昧な発言をしてしまうのだろう。 「『週刊文春』をはじめとしたメディアと闘う姿勢をみせている松本さんが、テレビ番組を訴えてくる可能性もゼロではありません。松本さんの現場復帰が思っていたよりも早かった場合に備えて、『ウチの局は松本さんを信じて待っていました』とアピールしたいのでしょう。 だからと言って、松本さん寄りの発言は墓穴を掘る危険性もありますから、どの局もあのような曖昧な言い回しになるのでしょう。在阪テレビ局と吉本の関係は、在京テレビ局と旧ジャニーズ事務所のそれよりも深いことが背景にあるんです」(在阪局番組スタッフ) 1月22日、朝日放送グループの新春社長会見で、ABCの山本晋也社長は、 「当社としては松本さんに関する報道にコメントする立場ではありません。(視聴者から)賛否両論あるだろうが、すごい数が来ているわけではない。(『M-1~』や『探偵~』を含めた対応について)裁判も始まっていません。状況をみながら対応を考えなければいけない」 などと語った。ここ数十年もの間、松本、ひいては吉本興業なくしては番組が成り立たなくなっていた。こうした事情が、在阪テレビ局を大きく揺るがせているのだ。
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