祝祭、庭園、船を彩る「ポルトガルの花々」を楽しんで
ポルトガル各地の花々にまつわる観光を紹介するセミナーがこのほど、東京都内の同国大使館で行われ、ポルトガル政府観光局で日本・韓国を担当するイネス・ケイロース局長が、集まった旅行会社やメディア関係者に、スライドを使いながら歴史的背景も含めて解説した。
自然豊かなポルトガルには、ジャカランダのようなエキゾチックな樹木や、桜、紫陽花、椿など日本人になじみのある花々が咲き、花にまつわる祭りが各地で行われる。 同国北部にあるバルセロスでは、毎年春に「十字架祭」が行われる。祭は、かつて教会の近くで農民が「奇跡の十字架」を見つけたを故事から始まった。十字架が置かれている教会に至る道には、美しいの花びらが敷きつめられる。この地は、ポルトガルのシンボル「ガロ(雄鶏)」の伝説が生まれたことで知られる。 コンサートやパレードがあり、広場には遊園地も設営され、地元市民や観光客でにぎわう。パレードの中でもユニークなのは、参加者が花びらを投げ合う「花の戦い」だ。
南北に長いポルトガルでは、春になると、南から北へと桜やアーモンドの花が徐々に開花していき、それを見に訪れる観光客も多い。ケイロース局長は「ポルトガル北部で美しい花を咲かせるツバキは日本から伝わった」との伝承を紹介した。 北部のポルトなどでは、あちこちの庭園などでツバキの花を見ることができる。ツバキの花を見ながら、日本とポルトガルの長い交流の歴史に思いをはせるのもよさそうだ。 花々は、建物や家具、さらには伝統的な漁船などにも装飾として用いられている。 ケイロース局長は、「首都リスボンの近郊にあるモイタの伝統的な漁師の舟には花々の装飾がほどこされています」と言う。 実際に咲きほこる花々だけでなく、そうした装飾のなかに「ポルトガルの花々」を訪ねる旅も楽しそうだ。