米倉涼子の当たり役!「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズ3作目は、情に厚い一面も描かれる人間ドラマ
非の打ち所のない完璧なビジュアルと凛とした佇まいで、数々のドラマや映画、舞台などでクールな美女を演じてきた米倉涼子。彼女の代表作の1つとして根強い人気を誇っているのが、2024年12月に初の劇場版が公開予定の「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズだ。2024年6月現在、第7シリーズまで制作されている同作の中でも、2014年に放送されたシリーズ第3作目は、主人公・未知子の情に厚い面を描いたエピソードがあることで知られている。 【写真を見る】白衣姿で外科医を演じる米倉涼子 「いたしません」「私、失敗しないので」が口癖の「異色・孤高・反骨」の天才フリーランス外科医・大門未知子(米倉)。日本最高峰の医療技術を世界に示すべく、国が威信をかけて作った日本医学界の頂点に君臨する特定機能病院・国立高度医療センターを舞台に、病院同士の派閥争いや、国立高度医療センター総長・天堂義人(北大路欣也)の野望実現に巻き込まれそうになりながらも、患者の命を救うために我が道を征く未知子の姿を全11話でつづる。 今回、未知子の初登場シーンは、とある南の島。美しい肩を露出したベアトップのサロペットパンツを身に纏った未知子は、偶然、豪華客船の事故で負傷した乗客たちに遭遇。その中には、未知子の元派遣先である帝都医科大学付属病院第三病院の元院長・毒島隆之介(伊東四朗)の姿もあった。突如吐血し、意識を失った毒島の手当てをする未知子だったが、その時、彼女はある異変に気付く。 毒島に応急処置を施した後は、未知子は、緊張性気胸のために心肺停止状態になっている少年を診察。息子を心配する父親に、未知子はフランス語で「私、失敗しないので」の名ゼリフを発する。そのシーンで米倉がみせる鋭い視線や緊張感漂う雰囲気で、未知子が医療現場に戻ってきたことを冒頭から視聴者に実感させる。 シーズン1からの因縁の相手である毒島でも、自分の患者だと認識したら、治療のために最善を尽くす未知子。彼女の徹底したプロフェッショナルぶりを、米倉は感情的ながらもどこか冷静さを忘れない絶妙なテンションのセリフ回しで表現している。 プライベートでは、神原名医紹介所の所長でマネージャーの晶(岸部一徳)や、フリーランス麻酔科医師・城之内博美(内田有紀)といった仲間の前で無邪気にはしゃぐ未知子を、肩の力が抜けたナチュラルな演技で体現する米倉。本シーズンでは未知子が旺盛な食欲を披露するシーンが次々と登場し、中でも、高級寿司やステーキを笑顔で頬張る米倉の幸せそうな表情は、観る者を癒してくれるはずだ。 また、晶と未知子の絆に迫るのも本シーズンの大きな注目ポイント。エピソード10から最終話までの2話では、「今まで自分が行ってきた手術代を晶がネコババしているのでは」と疑い始めた未知子と晶が衝突。そこから描かれる2人の過去、そして晶から寄せられている大きな愛情を知り、その恩に報いようと、未知子が彼のために涙を見せるドラマチックな展開が待ち受けている。いつもはクールで頭脳明晰な未知子が弱さを見せる、人間・大門未知子の本質に迫った本シーズン最終話は、「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズの中でも屈指の名エピソードといってもいいだろう。 米倉の当たり役の1つでもある大門未知子の活躍を思う存分楽しんでほしい。 文=中村実香
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