台山で煲仔飯を味わう 冬の風物詩を満喫
【東方新報】冬の訪れとともに、中国・広東省(Guangdong)台山市(Taishan)では煲仔飯(土鍋ご飯)の需要が増加している。 「寒くなればなるほど、煲仔飯を食べに来る人が増えます。最近では毎日午前11時から午後2時まで、客足が途絶えることがありません」と、台山市台城街道で煲仔飯専門店を営む店主は話す。同店では20種類以上の食材を用意しており、顧客は自分の好みに合わせて自由に組み合わせを選べる。 「秋冬シーズンには、土鍋で炊いたタウナギご飯や腊味菜果飯(干し肉や野菜の土鍋ご飯)が特に人気です。地元の農家が生産する晩造米を使用し、粒が立ち、適度な硬さと香りのあるご飯に仕上げています。お客様からも好評をいただいています」と台山市端芬鎮の「華雪飯店」の店主は語る。端芬鎮は「台山米」の主要な生産地の一つとして知られている。 12月17日正午ごろ、台山市台城街道の「康楽餐館」の入口では、事前に準備されたタウナギの切り身、スペアリブ、鶏肉、チャーシュー、干し肉、腸詰め、アヒル肉、ウズラ、塩漬け魚、カエルの脚、牛肉、塩漬けアヒル卵、鶏卵などの食材が並べられていた。煲仔飯を調理する店員は、水を足し、米を入れ、火加減を調整し、材料を加え、仕上げにネギを散らし、醤油をかける作業を忙しなく行っている。炊き上がった熱々の煲仔飯は、そのまま客席に運ばれる。 この店は1985年に開業し、現在は三代目が運営している。現在、1日に約200食の煲仔飯を販売しているという。品質の良い米や食材、伝統的な調理法へのこだわりから、地元を訪れる観光客や里帰り中の華僑たちが、この店を目当てに足を運ぶようになっている。 「煲仔飯が食べたいと言ったら、友人が台城街道の『怡楽居レストラン』に連れて行ってくれました。店内はシンプルですが、料理は独特で、土鍋で煮込んだスープも提供していました。塩漬け魚と肉のミートローフ、干しアヒル、卵の3種盛りの煲仔飯を注文しましたが、5分もしないうちに完食してしまいました」と、ロサンゼルスから台山市に里帰り中の李(Li)さんは感慨深げに語る。 台山市でフィットネストレーナーとして働く李さんは「私は四九鎮にある『全興美食店』の煲仔飯が好きで、特にエビ味噌豚足の煲仔飯や干し肉と塩漬け魚の煲仔飯は台山の味を感じられる逸品です」と話す。 「台山で一番忘れられない煲仔飯は、赤渓鎮のレストランで食べた毛碌肉煲仔飯です。炊き上げる間に、米が毛碌肉(豚肉)の旨味をたっぷり吸収して、食べる手が止まらなくなる美味しさでした」と、台山で食べ歩きを楽しむ広州市の黄(Huang)さんは語る。また、瓦鍋を使ったシジミやカキ、アサリを使ったご飯もおすすめだとし、「季節ごとに台山を訪れるたび、新しい美味しさに出会えます」と話している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。