「戦後のどさくさにまぎれて」と言われたカフェ経営者が鎌倉市長提訴 泥沼の訴訟合戦
神奈川県鎌倉市と地元の人気カフェが立ち退きを巡って対立している問題で、今度はカフェのオーナーが市長を相手に提訴し、“訴訟合戦”となっています。 【画像】市長「不法占拠の認識は過去にも、今にもない」 カフェオーナー「SNSでたたかれて。私が泥棒だとか…」
■「名誉を傷付けられた」市長を提訴
鎌倉市の海岸沿いにある1955年に創業の「ヴィーナスカフェ」。サザンオールスターズの桑田佳祐さんが監督した映画「稲村ジェーン」にも登場した人気のカフェです。 鎌倉市から公園の一部を借りる形で、年間およそ230万円の使用料を払って営業を続けてきましたが、市から明け渡しを求める裁判を起こされています。 鎌倉市 松尾崇市長 「きっかけは耐震性の不足だが、一等地を優先的に使用している状態も見直したい」 一方、カフェ側は独自に耐震性の検査を専門家に依頼。「問題なし」という判定が出たと反論し、真っ向から争う姿勢を見せています。 さらにヴィーナスカフェの吉澤治郎オーナーはこう話します。 吉澤オーナー 「松尾市長が事実無根のことを言い、私はこういうことになっているので、ぜひ撤回してほしいという思いで(松尾市長に対して)訴訟を起こしました」 オーナーが問題視したのは、2023年に鎌倉市の松尾市長が週刊誌の取材を受けた際の発言です。 松尾市長 「鎌倉に戦後のどさくさにまぎれて続いてきた施設があり、あの一帯もそう」 この発言で名誉を傷付けられたとして、オーナーは松尾市長個人を相手取り、先月におよそ2000万円の損害賠償などを求める訴えを起こしました。 吉澤オーナー 「SNSとかすごくたたかれて、私が泥棒だとか。電話の抗議も散々あり、早く出ていけ、死ねだとか」
■市長「不法占拠の認識は今も過去もない」
泥沼化する市と人気カフェによる訴訟合戦。地元市民やカフェの利用客はこう話しました。 鎌倉市民 20代 「他県から見たら悪い印象なのかなと」 利用客 60代 「鎌倉を代表するお店の1つかなと思う。話し合いで何とかうまく済めばいいなと思う」 こうしたなか、訴えられた市長が先週、この問題についてこう釈明しました。 松尾市長 「カフェが(市有地を)不法占拠していたという認識は過去にも今にもありません」 それでもオーナーは、納得がいかないと憤りをあらわにしています。 吉澤オーナー 「何だったんだろうと遺憾な気持ちというか。悔しいですね、正直」 訴訟について市長は「訴状が届いていないので、コメントは差し控えます」と話しています。 (「グッド!モーニング」2025年1月16日放送分より)
テレビ朝日