「二次元コード詐欺」で被害額21万円超──ココリコ遠藤さんの妻が語る一部始終 6ケタのパスコードを入力…実は?
■メールの漢字と納付期限に違和感
「これだけ見ると、怪しいかよく分からなかったですね」と男性。しかしメールの文字をもう一度見てみると、所得税の「税」や債権の「債」の漢字に違和感がありました。さらに、不自然な点は他にもありました。 男性 「(メールを)受け取ったのが5月13日だったんですけど、納付期限が14日ということで、あまりにも急すぎるなと」 これらのことから詐欺だと気が付き、支払いはしませんでした。国税庁によると、二次元コードを使った納付手続きは実際にありますが、二次元コード付きのメールで納税を求めることはないということです。
■買い物で「返金対応します」と連絡が
二次元コードはさまざまな支払いに使われ、詐欺の手口も多岐にわたるといいます。買い物をきっかけに21万円以上をだまし取られたケースを取材しました。 被害を訴えるのは、お笑い芸人のココリコ・遠藤章造さんの妻。きっかけは今年3月、ネットで買い物をしたことです。「息子がどうしても欲しいカードをずっと探していて、なかなか見つからなかったんですが、このサイトだけにあったので…」と言います。 誕生日プレゼントに、と注文。学習用のプリントと合わせ、約5200円を振り込んだといいます。すると数日後、業者から「在庫がなかったので返金対応します」といった旨の連絡がありました。
■「返金するため」と二次元コードを送信
ネットで注文した商品の在庫がないとして、業者から「PayPayで返金します」とメールが来たといいます。LINEでやり取りを始めると、業者から「返金するため二次元コードを送ってほしい」と指示され、遠藤さんの妻が送りました。 遠藤さんの妻 「『あなたの(PayPayの)アカウントが制限されています』と写真が送られてきたので、『あれ? 制限されてしまったのかな』と」 アカウントの制限を解除するといって、ある二次元コードを読み取るよう伝えてきたといいます。
■「制限解除」をうたってパスコードを…
遠藤さんの妻 「パスコードが214890。ここにアクセスして番号を入れるとアカウント(制限)が解除されます、と」 その後、画面に出たのは「214,890円」「支払い完了」という表示でした。業者がパスコードだとして入力させた数字は、送金する金額でした。遠藤さんの妻はだまされたと気が付き、電話をしましたが連絡はつきませんでした。 買い物したサイトも既にアクセスできなくなっていたため、警察とPayPay側に相談中だといいます。「PayPayを使っている身としては確実に(入金が)確認できるものだと思ったので、詐欺に遭うとは思っていませんでした」と遠藤さんの妻は語ります。 国民生活センターは、「○○ペイで返金します」と言われたら詐欺を疑うよう呼びかけています。
■専門家「詐欺の応用範囲が広い」
神戸大学大学院の森井昌克名誉教授は「詐欺の応用範囲が広いということになりますので。確実に増えていますし、これからも増えていくでしょうね」と警鐘を鳴らします。 支払う前にもう一度、二次元コードで読み込んだページを確認することが大切だということです。 (6月17日『news every.』より)