日印の今後の関係性は日中関係に相似 20~30年差で辿る 中川コージが解説
IIMインド管理大学 公共政策センターフェローの中川コージが5月28日(火)、ニッポン放送のニュース番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』(毎週月~金曜日 朝6時~)に出演。日本とインドの今後の関係について、これまで日本と中国が辿ってきたような関係性と同様の変化が20~30年差で起こっていくと解説した。
3期目を目指すモディ首相率いる与党・インド人民党と、最大野党・国民会議派を中心とする野党連合が全国の543議席を総選挙で争うインド。投票は4月19日から6月1日まで7回にわたって行われるため終盤に入っており、世界からの注目を集めているが、インドのいまと今後について中川コージが解説した。 中国研究者である中川は、日印間の関係について、日中間の関係と同様の変化を20~30年のディレイでしていくと分析。国交正常化から平和友好があり、その後の中国の経済成長に日本が驚いていった一方で、中国製食品の不正問題などで日本人が抱いた不信、中国人のなかで高まる反日感情で溝ができていった動きを指摘し、こういった関係の良化・悪化の流れが今後20~30年差で日印間で起こっていくとして、次のように述べた。 「経済成長とともにインドの方が日本にたくさん来るようになる。いい人も悪い人もいますが、中国と並ぶ人口14億人もいるということは、悪い人も目立ってしまう。今後、日印間でも、今まで日中間であったような、一般の市民感覚的な反中感情、言い換えれば『反印感情』のようなもの増えてきて、その後にようやく、ちゃんと良いところも悪いところ見られるような関係になるのではないかと思う」
そしてインドで進むドローン開発についても指摘。中国はもう日本の技術も超えた技術革新があるが、インドはまだまだ輸出できる技術優位なものは少ないので、早くても10年、やはり20~30年はキャッチアップするのにかかるだろうとして、「日本の立場からすると、インドへの大衆の感情であったり、経済産業上の競争の動きが、タイムマシーンで遡って中国を見ているようだ」と持論を語った。