[山口県]高等教育機関受験料の補助拡充 県、ひとり親世帯など上限5万3千円に
山口県は11日、ひとり親や所得の低い子育て世帯の子どもが経済的な事情に左右されることなく高等教育機関への進学に挑戦する機会の充実を図るため、2022年度から設けている受験料の補助制度を拡充することを明らかにした。1人当たり3万5千円だった上限を5万3千円へ引き上げ。従来あった成績要件も撤廃する。17日から申し込みを受け付ける。 対象となるのは、児童扶養手当の受給世帯や住民税の非課税世帯で、児童養護施設に入所している子どもも含む。今年4月から来年3月14日までの間に大学や短大、専門学校、高専(4年時)を受験する際にかかった費用を補助。受験校や金額、支払った人が記載された領収書、住民票の写しなどを添付して申請する。児童扶養手当受給世帯と同等の所得水準のひとり親世帯や、祖父母らが養育している家庭も対象とする。 県こども家庭課によると、22、23年度は寄付金を財源に運用していたが、本年度は国の補助金を活用。評定平均値が5段階で3・5以上としていた成績要件もなく、年齢も「原則高校3年生」を20歳未満とした。22年度は186人、23年度は174人に補助金を交付した。 11日あった定例会見で村岡嗣政知事は「家庭環境を理由に(進学を)控えたり、せっかくの可能性を『いろいろとお金がかかるから』と伸ばせないことになったりしないよう後押ししたい」と述べた。