池上彰さん、角川武蔵野ミュージアム2代目館長に就任…魅力は「いい意味でごちゃまぜ」
角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)の2代目館長にジャーナリストの池上彰氏(74)が就任した。図書館や美術館、博物館の機能を併せ持つ「ごちゃまぜ」の展示内容に魅了されたと池上氏は語り、「所沢を文化の拠点にするための起爆剤にしたい」と意気込んでいる。 【写真】図書の配架は高所作業車で行う角川武蔵野ミュージアム
2020年11月に開館したミュージアムは、活字文化から美術作品に至る幅広いジャンルをカバーした文化複合施設で、角川文化振興財団が運営している。
初代館長の松岡正剛氏が昨年8月に亡くなり、池上氏が11月1日付で後を継いだ。展示の目玉には、松岡氏の監修で約2万冊の書籍を配架した「本棚劇場」がある。それだけに、2代目館長の就任にあたり、記者会見した池上氏は「松岡さんが築いた伝統を守りながら、私の色合いを少しずつ出していきたい」と抱負を述べた。
ミュージアムの魅力を「いい意味でごちゃまぜ」と評した池上氏は、「テレビ番組も出版物もメディアは編集され、見事な出来栄えにも平凡な内容にもなる。このミュージアムには様々な編集のプロがいる。編集技法を学び、皆さんに伝えていきたい」と続けた。
作家の佐藤優氏を交え、松岡氏と3人で語り合った時のエピソードも披露。「知の巨人」の松岡氏が話すとお客さんに十分に意味が伝わらなかったとし、池上氏は「私が解説をして、お客さんと松岡さんとの間をつないだ」と振り返り、2代目館長として「松岡ワールドをさらにわかりやすくする役割がある」とした。
政治経済の拠点・さいたま市に対し、「県西部エリアは文化の拠点であっていい」とも述べ、「このミュージアムで本が好きになったり絵が好きになったりと、森羅万象に関心を持ってもらう場にしていきたい」と決意を新たにしていた。