ピアノ気軽に弾いてね 富山県氷見市の川嶋さん土産店に設置、「人と人をつなぐ場に」
富山県氷見市中央町で土産店「勘右衛門母母座(かかざ)」を営む川嶋裕美子さん(64)が自宅にあるアップライトピアノを店に置き、9日から「ストリートピアノ」として活用する。音楽を通じて人と人とのつながりを生み出し、能登半島地震の被災者の心の癒やしにもつながることを願っている。 7月末に知り合いの作曲家からの提案をきっかけに、氷見にないというストリートピアノを置くことにした。 7日は店の客にも手伝ってもらい、自宅からピアノを運び、店の出入り口そばに据えた。ピアノは保育士を目指していた高校時代に両親に買ってもらい、嫁入りの際も持ち込み、大切にしてきた。最近は弾く機会が減っていたという。7月に88歳で亡くなった母のためにも店で多くの人に使ってもらい、生かしていきたいと考えた。 「勘右衛門ストリートピアノ」の看板も作った。「誰でも気軽にピアノを弾いたり、コーヒーを飲みながら聴いたりしてほしい。人と人をつなぐ場にしたい」と川嶋さん。地震から7カ月が経過した今も心に傷を負った人が多いと感じており「このピアノが心のよりどころになればうれしい」と話す。