丸刈りにしたオリックス・紅林弘太郎が宮本慎也氏から学ぶ名遊撃手への道
【球界ここだけの話】手で転がされたゴロをひたすらグラブで捕って、捕って、捕って…。何百回、何千回と繰り返される。守備の名手への道のりは過酷だ。オリックス・紅林弘太郎内野手(22)が昨オフに取り組んだ猛特訓の日々を回想した。 【写真】丸刈りの前のオリックス・紅林弘太郎 「手で転がしたゴロを捕球するという練習を永遠とやっていました。半日くらいかな。4時間くらいはずっと…。めっちゃしんどかったっすね」 遊撃部門で計6度のゴールデングラブ賞を獲得した実績を誇る元ヤクルトの宮本慎也氏に知人を通して頼み込み、2年前の自主トレから指導を受けている。昨オフもレジェンドの守備の極意を吸収するため、必死に汗を流した。 「すごい選手は基本を大切にする、と改めて感じた。足を使うということなどを教えてもらい、いい時間になりました」 昨季は西武・源田やソフトバンク・今宮らといった守備職人たちを抑えて紅林はリーグトップの守備率・989(6失策)を誇った。わずか1票差で惜しくもゴールデングラブ賞を逃したが、堅実かつ積極果敢な守備で今やチームに欠かせない存在となりつつある。 今季は13日の日本ハム戦(京セラ)で3失策を記録。自分への戒めとして試合後に丸刈りにして話題を呼んだが、守備に対して貪欲で前向きだ。 「エラーはつきものなので。エラーの数を気にしていたら、攻めた守備はできない。それよりは長く野球をやるために先を見て(練習を)やっている」 失策は少ないに越したことはないが、紅林は目先の結果だけにとらわれず、自分らしいプレーを意識する。これから遊撃手として1年でも長いキャリアを築くために、地味に見えるような反復練習でも前のめりで取り組み、名手と呼ばれるようになる日まで一歩ずつ成長していく。(織原祥平)