ついに全国で始まった…「家賃」値上がりランキング! 3位滋賀県、2位山形県を押さえた意外な県は?
「契約満了日が近づいている場合、期日までに契約しなければ退去を迫られると考えている人もいるでしょう。 しかし、借地借家法という法律では、借主が保護されているため、『家賃の値上げに応じない』という理由だけで、簡単に退去させることは難しいのです。 仮に話がまとまらず契約日を満了しても、従前と同じ更新をしたとみなされる法定更新がなされます。その場合、更新手数料(家賃1カ月分相当など)を徴収することが困難になるケースもあり、逆にオーナーにとって痛手になることもあるのです。 交渉は焦らず、納得いくまでサインをしないことです」 もちろん交渉の際、家賃値上げの正当な根拠を示してもらうことも重要だ。 「実際に固定資産税がいくら上がるのかも知る必要があります。 また家賃値上げの根拠となる近隣賃料との比較に関しても、オーナーサイドは都合のよい数字を出してくる場合があるので要注意です。 セカンドオピニオンとして、近隣の不動産会社に家賃相場を聞くことも求められます。 インターネット上の不動産ポータルサイトなどで、家賃相場を調べることもできますが、あくまで募集段階での賃料であって、成約した賃料とは限りません。実際にはもっと安い賃料で成約している可能性もあるので、不動産会社に確認をすることも大事です」 こうした根拠がしっかりとあり、家賃値上げも仕方ないと納得できた場合は、値上げに応じるか、退去することになる。 「その際、賃料の値上げ幅を小さくしてほしいと交渉することも大事です。さらに更新料を無料にしてもらうなどの条件で、その後の家賃値上げに応じるケースもあります」 ■簡単にサインをしないで“交渉”することが大切 実際に、家賃交渉に成功したというのは、都内人気地区に住む50代男性だ。 「以前、1万円の家賃値上げを打診されたとき、交渉したら5千円を提示され、さらに3千円にまで値上げ幅を減らすことに成功。 そして今年の更新時には、2回目の家賃値上げを提案されました。20万円の物件に対して1万円上げてほしいと言われましたが、さすがに応じられません。 私が退去して1カ月空室になると、オーナーにとっては大損害となるためでしょう、交渉の末、今回の値上げは見送ることで、契約更新することができました」 また、家賃の値上げに応じられずに退去する場合も、引っ越し費用を出してもらう、鍵の交換費用や原状回復の費用をオーナー負担にしてもらうなど、交渉が可能だ。 「住んでいる部屋の原状回復に関しては、非常にトラブルが多い。とくにクロスの黄ばみ、フローリングのキズなどの修繕を理由に高額請求され、敷金がほとんど戻ってこないケースもあります。 しかし、クロスなどは一般的に6年で減価償却されますし、経年劣化に関しては基本オーナー負担です。 退去の際、賃貸管理会社や補修会社と一緒に立ち会いをしますが、ここでも簡単にサインをして合意をする人が多いのが現状。“これも自分たちの負担なのか?”と疑問に思う部分があれば、サインせずに、一度、持ち帰ることも大事です」(山本さん) 自分の住まいは、自分で守っていくことが必要なのだ。
「女性自身」2024年6月25日号