巨人・大勢

　巨人・阿部監督が、大勢を守護神として固定する方針を示した。前日に右肩違和感から復帰して即セーブを挙げた右腕。「大勢に行かせようかなと思っている」と語り、9回のマウンドを託す。 　約2カ月ぶりの1軍となった広島戦は3―2の9回に登板。2死満塁を招いたが、最速159キロの19球オール直球で1回無失点に封じた。指揮官は「だいぶ長いゴールデンウイークだったから」と奮起に期待。大勢も「求められているものは高いと思う」と自覚を口にする。 　右腕の不在中に代役を務めたバルドナードが3試合連続失点中だが、指揮官の信頼は不変。「こっち（メンタル）が疲れているから。“勝ちパターンでいくことは変わりないから頼む”と昨日言った」。大勢を守護神として固定する一方で、故障再発のリスクも考慮。3連投を回避すべく、状況に応じて流動的に起用する。 　貯金1で3位のチームは、17年以来7年ぶりの長野・松本での試合のため移動。松本城は戦国時代に武田信玄が占領し、信濃攻略の拠点となった。左膝痛で抹消されていた中川も前日に復帰し、救援陣の陣容も整った。腰を据えて戦えるさまは、まさに、動かざること山のごとし。松本では過去に6勝1敗、地方球場では今季5戦5勝という追い風も吹く。 　2日の松本での中日戦は今季地方で4戦4勝の山崎伊、3日の前橋は地元凱旋となる井上が先発する。「全部がターニングポイントだと思っている」と指揮官。セ界制覇へ一戦必勝で臨む。（青森　正宣） 　▽松本城と武田信玄　長野県松本市にあり、現存している五重六階の天守の中では日本最古の国宝の城。1550年（天文19）に甲斐の戦国大名・武田信玄が松本城の前身である深志城から小笠原長時を追い出して占領。信濃攻略の拠点として整備した。武田信玄の軍旗には「疾（はや）きこと風の如（ごと）く、徐（しず）かなること林の如く、侵掠（しんりゃく）すること火の如く、動かざること山の如し」の通称「風林火山」が記されていた。