フランス国債に妙味も、スプレッド拡大続けば-バンガード
(ブルームバーグ): 総選挙結果への懸念に起因するフランス国債の低迷は、ドイツ国債とのスプレッドの拡大が続けば買いのチャンスを提供するとの見方を、バンガード・グループの投資戦略責任者、ジョー・デービス氏が示した。
同氏は19日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、10年物フランス国債とドイツ国債のスプレッドはすでに過去12年間で最大の水準に近づいており、エクスポージャーを追加する絶好の参入点になる可能性があると語った。
「政治は重要だが、それ以外のことも重要だ。スプレッドの拡大が続けば、債券市場にはチャンスがある」と述べた。
大半の運用者は、マリーヌ・ルペン氏率いる極右政党「国民連合(RN)」が7月7日に予定されている議会選挙決選投票で勝利した場合、フランス国債はさらに下落する恐れがあるとみて敬遠している。 選挙はフランスの財政にスポットライトを当て、投資家はマクロン大統領の陣営が敗北した場合、財政赤字の縮小が難しくなると懸念している。
欧州連合(EU)は19日、フランスやイタリアを対象に過剰赤字手続きを開始した。場合によっては数十億ユーロの罰金につながる可能性もある。
フランスとドイツの10年物国債のスプレッドは先週、ブルームバーグがデータを作成し始めた1990年以降で最も大きく拡大した。現在は80ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近い水準で推移しており、2012年以降の最大に近い。
デービス氏は「経済のファンダメンタルズを見る必要がある。財政赤字規則は重要になるだろう」と話した。
原題:Vanguard Sees Opportunity in French Bonds if Spreads Widen More(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Alice Atkins, Francine Lacqua