アメリカでは帰化して三世代おかないと政治家になれない? 大統領や連邦議会議員に親の国籍は関係ない【ファクトチェック】
日本の議員のリストはほとんどが誤り
言説には、「帰化した国会議員」という見出しの画像がつき、国会議員の名前が並んでいる。2011年に発行された「國民新聞」の紙面の一部だ。日本ファクトチェックセンター(JFC)は国会図書館で現物を確認した。 この新聞は、明治期に徳富蘇峰が創刊した「國民新聞」とは別のもの。政治団体が発行していたが、現在は休刊している。 記事の冒頭には「日本会議埼玉支部の吉田滋相談役が入手した『帰化人国会議一覧』によると民主党所属議員(元職を含む)が最多だった」とあり、小沢一郎氏、菅直人氏、故土井たか子氏など、当時の国会議員の名前が並ぶ。 帰化した人は官報に掲載され、国会図書館などで調べることができる。日本ファクトチェックセンター(JFC)が画像からフルネームが読み取れるすべての政治家を調べたところ、帰化を確認したのは、白眞勲氏とツルネン・マルテイ氏だけだった。 この國民新聞の記事をもとにしたブログが2013年に拡散し、在日だと名指しされた自民党の河野太郎衆院議員が「法的措置も検討」とTwitter(現X)に投稿。現在、そのブログは消去されている。
判定
「アメリカでは帰化して三代、間におかないと政治家になれない」という言説が拡散したが、誤り。大統領も連邦議会上下院議員も、年齢や在住期間の規定はあるが、親の国籍は関係ない。また、拡散した画像も実際に帰化が確認できた人物は二人で、ほぼ誤り。
あとがき
日本では、国会議員をはじめ都道府県知事、都道府県議会議員、市区町村長、市区町村議会議員は、日本国民であることが条件になっています(総務省)。 これまでも日本の歴代内閣総理大臣の多くが帰化しているなどの言説が繰り返し拡散しています。JFCはこうした言説の検証記事を書いています。参考にしてください。 総理になれるのはほぼ朝鮮人!官報でも確認できる事実?【ファクトチェック】 小泉進次郎氏の祖父は朝鮮人?総裁選を前に誤情報が拡散【ファクトチェック】(いずれも関連記事リンクでご覧ください) 検証:宮本聖二 編集:藤森かもめ、野上英文、古田大輔 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。