<競馬>払戻率変更で人気回復へ “単複”へシフト促す
■オートレースは払戻率を下げ売上げ減少 他の公営競技の例で言えば、オートレースは2012年、払戻率を単純に75%から70%に引き下げられた。これが売り上げの減少にはつながり、その後の1年は、概ね前年同月比で83.5%で推移していた。主催者の収益とすれば、今までより5%分多く見入りがあるので、売上減が大きく響くことはなく、この施策は決して間違った方向性ではなかったかもしれない。しかし、ジャンルを問わず公営4競技を楽しむファンからすれば、配当の妙味が薄れ、オートから離れてしまう可能性もあり、そういう意味では、大きな賭けをしたと言っていいだろう。 ■控除率を下げることが売上増には結びつかない? かつては「控除率を下げること(払戻率を上げる)が、ファンに対する最大のサービス」と言われてきたが、これまでもJRAでは単勝と複勝は約80%での払戻率にしていたり、特定レースに限定した5%上乗せレースを実施するなど、その声に応えてきた面はあるが、実際のところ大きな売上増には結びついていない。 オートレースと違い、賭式ごとに払戻率を変え、しかも複雑だった払戻金の算出方法から一定率で払戻金が算出されるようにもなり、ファンにとってはわかりやすくなった。とはいえ、払戻率が上がった下がったと言っても、結局のところ的中しなければ、その損得勘定をすることはできない。原点回帰して、払戻率が上がった的中しやすい馬券へシフトし、1990年までの若かりし頃、熱く競馬にハマった時を思い出してもいいかもしれない。