富山商が初戦敗退 センバツ絶望的 秋季高校野球２回戦
第77回秋季県高校野球大会第2日（15日・富山市の県営富山野球場ほか）2回戦が始まり、夏の甲子園に出場した富山商が桜井に延長十回タイブレークの末、4―5で敗れた。初戦で姿を消し、来春の選抜大会出場は絶望的となった。 ●富山北部、砺波コールド高岡一も勝利 富山北部は高岡工芸に8―1の七回コールド勝ちを収め、砺波は大門を14―3の六回コールドで圧倒した。高岡一は富山中部を4―0で下した。降雨のため、八尾―魚津、未来富山―新湊、福岡―魚津工・中央農の3試合は継続試合となり、高岡龍谷―国際大付は中止された。16日に予定されていた試合日程が変更となった。 ●桜井、延長十回制す 松野が粘投「味方を信じた」 藤井監督「全員がMVP」 延長十回タイブレークに入り、マウンドの桜井の背番号10・松野晃士（2年）は1死二、三塁から富山商の代打2人を仕留めると、その裏に先頭打者として敵失を誘い、勝利をたぐり寄せた。「気持ちで折れたらだめ。強気で味方を信じて投げた」と喜んだ。 内野手として入学したが、昨年冬に「チームのためになりたい」と人数の少なかった投手の練習を始め、努力を重ねて先発を任された。三回に1点を失うと一度は一塁守備に回り、七回に再登板して反撃を抑えた。 夏の県王者を破り「次のステップへ大事な勝利。全イニングを全力で行きたい」とはつらつと語った松野。チームの精神的支柱である主将の田中蒼翔（2年）は「秋に優勝するためにやってきた。自信につながる」と弾みをつけた。 選手は高校から野球を始めたメンバーを含めて15人。桜井高OBで元ソフトバンクの藤井翼監督は「全員がMVP」と明るくたたえた。自身が高3の夏の富山大会決勝で富山商を5―4で破って甲子園に出場したことを振り返り、「しっかりとかぶとの緒を締め直していく」と秋の頂点へ気合を入れた。 ●「負けるべくして負けた」富山商・前﨑監督 富山商の新チームは苦しい船出となった。六回に3点差を追いついたものの、延長で力尽きた。前﨑秀和監督は「負けるべくして負けた。自力がない。投手力、守備力、戦術面、全て足りない」と敗戦にも冷静だった。 散発5安打に封じられ、3失策を記録した。夏の甲子園を経験したのは3選手だけで、指揮官は「経験もなくやるべきことに到達できてない。自分たちの野球をやるんだという自覚が早く芽生えないといけない」と淡々と語った。 主将の白川湧大（2年）は「とても悔しい」と遠くを見つめた。走攻守で課題を突き付けられ、「自分の役割を分かっていない選手が多い。まだ執念が感じられるチームではない」と冬場の鍛錬へ気持ちを奮い立たせた。
