リオ五輪会場にポケモンは不在? 捕獲タクシーサービスまで開始
夏休みも手伝って日本での「ポケモンGO」ブームは今なお沸騰中。日本でスマートフォンを片手に歩いている人の大半は、ゲーム「ポケモンGO」のために歩いていると言ってもいい。ブラジルでも五輪開幕直前の8月3日からゲーム配信が始まり、歩きスマホをして事故に遭ったり、スマホ目当ての強盗被害が続出していると報じられていた。治安に怖さを感じながらも、私は、リオデジャイロを訪れる前から、「五輪の競技場を背景にポケモンと記念撮影をしてみたい」、という思いに駆られていた。ホテルに荷物をおいて取材活動をスタートさせると、リオデジャネイロ市郊外、バハ地区にあるオリンピックパークで、早速、ポケモンゲットのためにゲームを起動してみた。 スマホに広がるポケモンGOの地図をみて、愕然とした。まったくポケモンが見当たらないのだ。アイテムを無料で入手でき、ツールを利用することでポケモンを集めやすくなる「ポケストップ」もまったく見当たらない。こんな状態で、本当に体操の内村航平選手は、ポケモンGOを遊んだのだろうか? そして、本当にブラジルでもポケモンGOは流行しているのか? 日本チーム担当の大会ボランティア男性にきいたところ「流行しているのは本当です。バハ地区だと、五輪会場からは遠いですが、ショッピングモールにあるポケストップの近くなら、ポケモンを探しながら道を歩いている人もいますよ」と教えてくれた。 「リオデジャネイロには、少し歩けば次のポケストップがあるような状態ではありません。比較的ポケストップが多いコパカバーナ地区などの繁華街は、スマホを手に持って歩くのは危険な地域なのでゲームをしづらい。それでもポケモンを捕まえたい人向けに、ポケモンを捕まえられるところまで片道30レアル(約940円)で連れて行ってくれるタクシーのサービスが始まりました」 確かに、オリンピックパークのある周辺は、スマホ(特にiPhone)を持っているだけで強盗に遭うからカバンから出さないようにと日本総領事館からのメールマガジンに書かれていたような危険とは無縁の雰囲気だ。もともと富裕層が住む地域であるうえ、五輪開催期間中は、警察、特殊警察、軍隊らが厳重に付近を警戒しているため犯罪目的の人間も近寄りづらい。大会会場内にも迷彩服に自動小銃を構えた警備が入るのでものものしい雰囲気はあるが、安心できるからか、来場者のほとんどが、スマホを取り出してセルフィー(自撮り)を繰り返している。