学生の県内就職や人材育成 県と理大が地方創生で連携協定【山陽小野田】
県は29日、山口東京理科大と地方創生に係る包括連携協定を締結した。学生の県内定着や地域医療への貢献、地域産業の発展などに関する連携、取り組みを強化していく。 県内最大の課題である人口減少の克服を目指し、全国唯一の公立薬工系大学の特色を持つ同大との連携をより深めることで、若者の県内就職や持続可能な社会づくりに向けた人材の育成、確保を図ることが目的。 協定によって具体的には、県内の医療機関、薬局、製薬会社などへの採用促進や奨学金返還補助制度の周知、へき地の在宅医療実務実習といった薬剤師の人材育成支援、産学官連携による地域産業振興などに取り組む。 締結式は県庁で行われ、同大の池北雅彦理事長と村岡嗣政知事が協定書に署名した。池北理事長は「一朝一夕に解決できる課題ではないが、相互の新たな発展の契機になれば」と決意。村岡知事は「さまざまな自治体が地域の将来を考え、一丸となって取り組むことが重要。知の拠点となる大学にその中心になってもらいたい」と期待を込めた。 臨席した藤田剛二市長は「山口東京理科大が市立大となり9年目。質の高い教育、研究活動を展開している。市が重点的に取り組む同大を生かしたまちづくりが活性化することを大いに期待する」とあいさつした。 県が大学と地方創生に係る協定を結ぶのは、山口大、周南公立大に続いて3例目。