祖父・猿翁さんの代表作「ヤマトタケル」の大阪松竹座公演開幕 20歳・市川團子が同劇場初出演で宙を舞う
歌舞伎俳優・市川團子が主演するスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」が8日、大阪・松竹座で華やかに初日の幕を開けた。 日本神話の英雄・日本武尊(やまとたけるのみこと)の伝説をベースに、團子の祖父・2代目市川猿翁さん(当時・猿之助=昨年9月死去)のために書き下ろされ、1986年2月に初演された「スーパー歌舞伎」の原点とされる大作。11年ぶりの上演となった今年3月の東京公演で通算上演1000回を迎えたが、大阪松竹座では16年ぶりとなる。2代目猿翁さんが同作を最後(98年)に演じたのも同劇場で、縁の深い興行となった。 8歳だった12年に同作のワカタケル役でデビューした20歳の團子にとって同劇場は初出演。第1幕で、東京では中村隼人と2人で挑んだ弟・小碓命(おうすのみこと)=後のヤマトタケルと兄・大碓命(おおうすのみこと)の双子2役を見事な早替わりで演じ、5月の名古屋・御園座公演に続く単独主演を果たし、「澤瀉屋(おもだかや)!」の大向こうが掛けられた。 フィナーレでは、大和の国に戻る前に力尽きるヤマトタケルの最期を、スーパー歌舞伎の象徴でもある宙乗りの舞いで魅了し、劇場は大きな拍手に包まれた。 小碓命に様々な試練を課す厳しい父・帝役は團子の実父・市川中車(俳優・香川照之)が演じた。 ヤマトタケルの妻・兄橘姫(えたちばなひめ)と、水難で非業の死を遂げる弟橘姫(おとたちばなひめ)の2役は、中村壱太郎が担当した。 23日まで。10月8~22日は福岡・博多座で上演される。
報知新聞社