【ドバイWCデー回顧】日本勢の勝利はフォーエバーヤングのUAEダービーのみ ウシュバテソーロは2着でドバイWC連覇ならず
ドバイターフ ゴール前はマッチレースに
7Rに行われた芝1800mのドバイターフは波乱の決着となった。ゴール前は道中9番手を追走していたフランスのファクトゥールシュヴァルと後方2、3番手の外で脚を溜めていたナミュールによる2頭のマッチレース。これまでマイルGⅠのサセックスS、クイーンエリザベス2世Sで2着と好走実績があったファクトゥールシュヴァルが短アタマ差でドバイターフを制し、GⅠ初制覇を果たした。 2着ナミュールは香港マイル3着から挑んだ一戦で、日本では7番人気だったが、改めて地力の高さを示した。10番手のインでじっと我慢の競馬をしたダノンベルーガは馬群を捌いて伸びて3着。1番人気の支持を集めて注目されたドウデュースは、直線で進路が開かず、最後は伸びてきたが時すでに遅しの5着。レースの主導権を奪ったマテンロウスカイは直線で失速して15着だった。
ドバイGS 地元の古豪が波乱を演出
ダート1200mのドバイゴールデンシャヒーンは、9番人気(JRA発売オッズ)で2番手のインでレースを進めた地元UAEの古豪タズが残り250mで先頭に立つと、後方をグングンと引き離して6馬身半差をつける快勝。果敢にハナを奪ったドンフランキーは、最後失速したものの、2着に粘って日本馬最先着を果たした。 リヤドダートスプリントを制して挑んだリメイクは後方のイン追走から直線外に持ち出して伸びるも、ゴール手前でナカトミに交わされて4着。中団からレースを進めたイグナイターとケイアイドリーはそれぞれ5、9着に終わった。
ドバイGC タワーオブロンドンが重賞連勝
馬券発売がなかったその他のレースでは、ドバイゴールドカップに出走した日本馬2頭はいずれも先行したが、アイアンバローズ8着、リビアングラスは11着と結果を残せず。勝ったのはA.オブライエン厩舎所属でR.ムーア騎手騎乗のタワーオブロンドン。レースは中団やや後ろから運び、最後は後続に2馬身差をつけて勝利。前走のレッドシーターフハンデに続き重賞連勝を達成した。
アルクオーツスプリント 香港のカリフォルニアスパングルが勝利
直線芝1200mで争われたアルクオーツスプリントには、日本からは団野大成騎手騎乗のジャスパークローネが参戦。スタートしてすぐに迷いなく、ただ一頭だけ外ラチ沿いに進路を取ったものの11着に敗れた。 馬場の内からレースを進めた11頭の中から突き抜けたのは、香港のカリフォルニアスパングル。2022年の香港マイルを制するなどマイル路線を中心に使われてきたが、前走芝1400mのクイーンズシルバージュビリーカップから更なる距離短縮にも対応して勝利した。
ゴドルフィンマイル 伏兵のトゥーリバーズオーバーが勝利
今年は日本馬の出走がなかったダート1600mのゴドルフィンマイルは、前走サウジカップで3着に入ったサウジクラウン、連覇を狙うアイソレートに注目が集まった。しかし、勝利したのはアメリカから参戦したトゥーリバーズオーバー。重賞実績はGⅡサンパスカルS4着のみと、実績は乏しかったが好位追走からゴール前の混戦を差し切った。 ライタープロフィール 三木俊幸 編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
三木俊幸